仕事を続けていると、ふと「自分はこのままでいいのだろうか」と感じる瞬間があります。
今の仕事にやりがいを感じられなくなったり、転職したいけれど何を基準に選べばいいのか分からなかったり。
そんなとき、多くの人が「キャリアの軸を見失った」と感じるのではないでしょうか。
ここでいう「キャリアの軸」とは、自分が仕事を選ぶときに大切にしたい価値観や方向性のこと。
たとえば「人の成長を支えたい」「専門性を磨きたい」「安定を大切にしたい」など、人によって軸の形はさまざまです。
軸を見失うのは、決して悪いことではありません。
むしろ、それは「これまでの自分の価値観や環境が変わり始めているサイン」でもあります。
ただ、軸がない状態で走り続けると、目先の給与やポジションといった表面的な条件に惑わされ、本当に望むキャリアから遠ざかってしまうリスクがあります。
環境の変化に流されやすくなり、転職を繰り返したり、結果として心身が疲弊したりすることも少なくありません。
立ち止まることを恐れず、自分の内側を見つめ直すことで、次のステージへ進むヒントが見つかります。
今回は、そんなときに自分に投げかけてほしい「3つの質問」を紹介します。
焦らず、立ち止まりながら、少しずつ“自分の軸”を取り戻していきましょう。
「キャリアの軸」を取り戻す3つの質問

では、早速ですがキャリアの軸を取り戻すための、それぞれの質問の内容をみていきましょう。
質問①:「最近、何に“違和感”を感じているか?」
キャリアを見失う前には、たいてい“小さな違和感”が現れています。
それは、「なんとなくしっくりこない」「以前は楽しかったのに今はつらい」といった形で心に浮かびます。
たとえば、
・数字ばかり求められる職場に、成果よりプロセスを大事にしたい気持ちが合わない
・周囲の昇進や年収の話題にピンとこない
・「このまま10年後も同じ仕事をしていたら」と考えると不安になる
このような違和感は、自分の価値観と現状の環境がずれてきているサインです。
違和感は“ズレ”のサイン──2つの視点で整理してみよう
日々の業務や人間関係の中で「気持ちがザワついた瞬間」をメモしておくと、自分が何を大事にしてきたのかが浮かび上がってきます。
その際、違和感を以下の2つの視点から分析してみてください。
・環境とのズレ(ネガティブな違和感)
「これはやりたくない」「合わない」という拒否感。
・価値観の進化(ポジティブな違和感)
「もっと挑戦したい」「ここではない新しい分野を見たい」という前のめりな欲求。
後者の「ポジティブな違和感」は、あなたの成長が現在の環境の枠を超え始めているサインです。
違和感を無視して走り続けると、心が少しずつ摩耗してしまいます。
反対に、その違和感を丁寧に見つめることで、「自分はどんな働き方を望んでいるのか」「どんな環境なら心地よく働けるのか」が明確になります。
まずは、“今の自分”が何に反応しているのかを感じ取ってみましょう。
質問②:「これまでの仕事で“誇りに思えた瞬間”はいつか?」

違和感を通じて「ズレ」が見えたら、次は「自分が大切にしたい軸」を思い出す段階です。
そのための手がかりになるのが、「これまでの仕事で誇りに思えた瞬間」を振り返ることです。
思い出してみてください。
どんな時に「この仕事をしていて良かった」と感じたでしょうか?
・誰かの成長を支えられたとき
・チームで成果を出したとき
・自分の提案が採用され、仕組みを改善できたとき
・お客様や同僚から感謝の言葉をもらったとき
・誰もが諦めかけた課題に粘り強く取り組み、達成したとき
これらの瞬間には、あなたが心から大切にしている価値観が隠れています。
「成果」「挑戦」「貢献」「信頼」「創造」──そういったものの、どれが自分の満足につながったのかを言語化してみると、自分の軸が輪郭を持ちはじめます。
軸は「結果」ではなく「関わり方」に隠れている
この質問のポイントは、「結果(例:売上目標達成)」よりも、その時の「どんな関わり方をしていたか?」「どんな役割を果たしていたか?」に注目することです
「誇りに思えた」という感情の裏には、
・「人(成長支援)」に関わる軸
・「仕組み(創造・改善)」に関わる軸
・「難易度(挑戦)」に関わる軸
・「協調性(チームワーク)」に関わる軸
など、あなたが満たしたい仕事における欲求が隠れています。
そこに、あなたが“どう生きたいか”のヒントが隠れていることが多いのです。
質問③:「この先の人生で“何を大切にして生きたい”か?」

3つ目の質問は、キャリアだけでなく人生全体に視野を広げるものです。
なぜなら、キャリアの軸とは“仕事の方向性”であると同時に、人生の優先順位でもあるからです。
これから先、どんな時間を大切にしたいでしょうか。
家族との時間、健康、自分の成長、自由な働き方──どんなものでも構いません。
今後の生き方の中で譲れない価値を考えることで、キャリアの選択も自然と整理されていきます。
「やりたいことがわからない」と悩む方は多いですが、「どうありたいか」を考えると、選択肢がシンプルになります。
10年後の「ありたい姿」から逆算する
仕事だけでなく、10年後の理想的な生活を具体的に想像してみましょう。
・「安心して暮らせる基盤を持ちながら、興味のある分野を学び続けたい」
・「子育てや介護と両立しながら、人の支えになる仕事をしたい」
・「地理的な制約に縛られず、自分のアイデアで社会に価値を生み出したい」
このように、“ありたい姿”から逆算して考えると、キャリアの軸がよりリアルになります。
仕事は人生の一部です。
自分がどんな生き方を望むのかを見つめることが、ブレない軸を築く最初の一歩です。
軸を再構築する「小さな一歩」

3つの質問に答えると、自分の中にぼんやりとした方向性が見えてくるはずです。
それはすぐに明確な答えにならなくても構いません。
大切なのは、「考える時間を持つこと」そのものです。
言語化の次のステップへ
質問で浮かび上がった共通するキーワードや感情を書き出し、軸を「〇〇を大切にしながら、△△の役割で貢献したい」のように短いフレーズで言語化してみてください。
それが、あなたの“キャリアの軸”となる可能性が高いです。
軸が言語化できたら、それを次の行動に接続しましょう。
【情報収集】
その軸に合うキーワードで、職種や業界、企業を検索してみる。
↓
【スキル洗い出し】
その軸を実現するために、現在足りないスキルや経験を洗い出す。
↓
【相談】
上司や社内のHR、キャリアコンサルタントに「この軸を実現するにはどうすればいいか」を相談してみる。
焦って転職や異動を決断するよりも、一度立ち止まり、自分の歩幅を整えること。
それが、これからのキャリアをより確かなものにします。
キャリアの軸は「メンテナンス」が必要
最後に覚えておいていただきたいのは、キャリアの軸は不変ではないということです。
あなたの成長やライフステージの変化に伴い、軸も進化し、変化していくものです。
軸を見失うのは、もう一度、“自分らしい歩き方”を取り戻すチャンスであり、軸を最新の状態に「メンテナンス」する良い機会です。
立ち止まることも、キャリアを歩む大切な一歩。
あなたのこれからの道を、あなたらしい足取りで歩いていくことを心から応援しています。
「自分のケースだとどうしたら…」そう感じたら、プロの力を借りてみませんか?
もし「自分の場合はキャリアの軸をどう分析すればいいのだろうか…?」と迷うことがあれば、キャリアの専門家に相談するのも一つの方法です。
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