「やりたい仕事が見つからない」「自分には夢がない」と感じて焦ってしまう…
そんな相談をお受けすることがあります。
SNSやメディアでは「好きなことを仕事に」といった言葉があふれていますが、それがかえってプレッシャーになる人も多いでしょう。
実際のところ、「やりたい仕事」が明確にある人の方が少数派です。
多くの人は、働くうちに「意外とこの仕事が合っていた」「この環境が心地いい」と気づいていきます。
つまり、“やりたいことがない”のは決して悪いことではなく、むしろ自然なスタートラインなのです。
今回は、そんな人が「満足できる働き方」を見つけるための考え方を整理してみましょう。
「やりたい仕事」探しがうまくいかない3つの理由

「自分のやりたいことを見つけたい」と思うとき、私たちはつい“頭の中だけで”考えすぎてしまいがちです。
やりたいことを見つけるプロセスがうまくいかないのには、主に3つの落とし穴があります。
理由① 経験ではなく、思考で答えを探そうとするから
やりたいことは、机の上で考えて見つかるものではありません。
基本的には実際に経験したり、人と関わったりする中で育っていくものです。
たとえば、初めて食べた食べ物が予想外に美味しかったように、仕事も経験して初めて「これだ」と感じられることがあります。
頭の中で完璧な答えを探すのをやめて、まずは「小さな行動」から始めてみることが大切です。
理由② 他人の「正解」を追いかけてしまうから
他人と比べてしまうことも大きな落とし穴です。
SNSやメディアでは、好きなことを仕事にしているように見える人が目立ちます。
しかし、そういった方々も「結果としてやりたいことに出会えた」人であり、最初から明確なビジョンを持っていたわけではないことが多いと思われます。
また、発信される情報はポジティブな側面だけが切り取られがちです。
他人の正解や、華やかに見えるキャリアを追いかけても、自分の心の満足にはつながりにくいのです。
自分にとって何が心地よいかを考えることが先決です。
理由③「好きなこと=やりたいこと」と思い込んでしまうから
もう一つの大きな原因は、「好きなこと=やりたいこと(仕事)」と思い込んでしまうことです。
たとえば「本が好きだから出版社に入りたい」と思っても、実際の編集の仕事内容は想像していた読書とは全く違うかもしれません。
「好き」は趣味として大切ですが、仕事にするには「苦痛なく続けられるか」「成果を出せるか」という視点が必要です。
大切なのは、やりたいことを見つけることより、「どう働けたら満足できるか」という、より本質的な問いに答えることです。
“満足できる働き方”とは何か?

では、“満足できる働き方”とはどんな状態でしょうか。
多くの人は「仕事内容」だけに注目しがちですが、実は満足度を左右するのはそれ以外の要素も大きいです。
心理学の研究においても、人間が仕事に満足を感じ、意欲的に取り組む大きな要素として、「自律性」「有能感」「関係性」の3つが重要だとされています。
仕事内容への「好き・嫌い」よりも、むしろこうした「満たされる感覚」が、その仕事を「悪くない」「続けたい」と思わせるのです。
たとえば、
・一緒に働く人との関係
・自分の意見を活かせる環境か
・成果がきちんと評価されるか
・ワークライフバランスが取れているか
こうした「働くための土台」が整うと、仕事内容そのものに強い情熱がなくても「この仕事、悪くないな」と感じられるものです。
キャリアの満足度を考えるときの3つの視点を挙げてみます。
1. 自分の価値観に合っているか
(例:安定より挑戦を重視/人の役に立ちたい/専門性を高めたい など)
2. 成長を感じられるか(有能感)
(昨日よりできることが増えている実感や、難題を乗り越える達成感がある)
3. 認められている・感謝されている実感があるか(関係性)
(上司や同僚、顧客から必要とされている感覚がある)
「やりたいこと」は、これらの要素が満たされた先に、結果として自然と見えてくることも多いのです。
「満足できる働き方」を見つける3ステップ

それでは、満足できる働き方を見つけるための方法を、具体的なステップ毎に見ていましょう。
STEP1:自分の“嫌じゃないこと”を洗い出す
「好きなことを見つけよう」とすると範囲が狭まってしまいます。
むしろ、「これなら苦にならない」「続けてもいい」と思えることを探してみましょう。
たとえば、
・人と話すのは得意ではないけれど、資料を整えるのは嫌いじゃない
・表に立つより、誰かを支える方が心地よい
・数字やデータを見て法則を見つける作業は苦にならない
その際、その行為が「どんな性質の作業か」を分類してみましょう。
「資料を整えるのが嫌いじゃない」という人は、「緻密な作業に集中して没頭する時間」や「情報を整理する論理的な思考」が好きである可能性が高いです。
こうした“嫌じゃないこと”の積み重ねが、結果的に自分に合う仕事を形作っていきます。
STEP2:過去の「楽しかった瞬間」を振り返る
学生時代やアルバイト経験、ちょっとしたボランティアでも構いません。
「そのとき、なぜ楽しかったのか?」を掘り下げてみるのがポイントです。
振り返りの際は、「誰と?」「どんな役割で?」「どんな結果が起きた?」という3つの問いを意識してください。
たとえば、
・感謝されたときに嬉しかった
→ 人のサポートや安心感を提供する役割にやりがいを感じるタイプ
・難しい課題を乗り越えたときに達成感があった
→ 問題解決やスキルアップに喜びを感じるタイプ
・一人で黙々と作業に集中できた
→ 自律性が高く、思考型の仕事が合うタイプ
このように、感情の動きから「自分の満足ポイント」を探すことができます。
STEP3:今の仕事で“満足できる要素”を増やしてみる
転職だけが答えではありません。
いまの職場の中でも、自分の裁量を少し増やしたり、得意分野を活かせる業務を提案したりすることで、満足度は上げられます。
「この仕事が好きではない」と感じるときでも、
・人間関係は悪くない
・スケジュールの自由度は高い
・スキルアップにつながっている
など、満足のタネは案外近くにあるものです。
いまの職場の中でも、こういった自分の「満足のタネ」を意識的に育てていくことで、働き方の手応えは大きく変わります。
たとえば、
・得意分野を活かせる業務を上司に提案し、自分の裁量(自律性)を少し増やす。
・成果に対して感謝の言葉をもらった際、それを意識的に「承認欲求が満たされた瞬間」として記録する。
・スキルアップにつながる研修や資格取得に挑戦し、成長(有能感)を実感する機会を作る。
そこを意識的に伸ばしていく努力が、今の仕事を「悪くない」仕事に変える力になります。
まとめ:やりたいことは“行動の先”で見つかる

「やりたいことがない」と悩むのは、まだ“試していないだけ”なのかもしれません。
頭の中で正解を探すよりも、まず動いてみる。
小さな経験を積み重ねる中で、自然と「これが自分に合っているかも」と感じられる瞬間がやってきます。
働き方の満足度は、多くの場合、職種名や会社のブランドではなく、自分の価値観と環境のフィット感で決まります。
自分にとっての「心地よい働き方」を見つけることが、最終的にはキャリアの満足につながるのです。
焦らずに、自分のペースで一歩ずつ。
「やりたいこと」は、歩きながら見つけていくもの。
そう思えたら、今の仕事も少し違って見えてくるかもしれません。
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