「キャリアの棚卸し」を1時間で形にするための具体的な4つのステップ

転職

キャリアの棚卸しというと、「腰を据えてじっくり時間をかけて行うもの」「自分ひとりで整理するのは難しそう」と感じる人も少なくありません。

実際、キャリアの捉え方は人それぞれで、過去の経験を結びつけたり、強みを言語化したりする作業は、専門家の支援を受けるケースもあります。

しかし一方で、棚卸しを完璧に仕上げてから動き始めようとすると、多くの人が途中で止まってしまいます。

完璧を求めるあまり、貴重な「動く時間」を失ってしまうのです。

重要なのは、まず“1時間程度で大枠の土台をつくる”こと。

この記事では、誰でも今日から実践できる「1時間でキャリア棚卸しの土台をつくるステップ」を4つの段階に分けて、具体的に解説します。

1時間の土台づくりを最優先する3つの理由

土台さえできれば、そこから深掘りしたり専門家に相談したりする際も、議論の質が一気に高まります

「土台づくり」を最優先すべき理由は以下の3点です。

① 思考のフリーズを防ぐ
完璧主義を捨て、「まずは埋める」という意識を持つことで、作業が滞るのを防ぎ、心理的なハードルを下げます。

② 精度向上に直結
最初に大枠があることで、後からの情報追加や修正が格段に楽になり、深掘りすべきポイントが明確になります。

③ 意思決定のスピードアップ
複数の選択肢を比較する際の「判断軸」(自身の強みや価値観)が素早く手に入るため、キャリアの方向性を決めるスピードが上がります。

【ステップ0】準備:タイマーを60分、メモツールを1つ

棚卸しは情報量が多いため、「いつまでも終わらない」状態を防ぐためにも、時間を区切ることが最も大事です。

▼用意するもの
・タイマー:60分にセットします。各ステップの目安時間を意識してください。
・メモツール: 紙1枚、ノート、メモアプリなど、お好きな書きやすい形式をひとつ用意してください。
▼手元にあると役立つもの:
・過去の職務経歴書
・人事評価シート
・自分のSNSや日報など、過去の行動記録

“完璧に思い出そうとしない”ことがポイントです。

思い出せる範囲で良いので、まずは素材を並べる意識で始めます。

ステップ1:過去の経験を書き出す(20分)

まずは「過去」を事実ベースで整理していきます。

この段階では、評価や感情を交えず、素材集めに集中しましょう。

1)担当してきた業務
部署、役割、日々のタスクを洗い出します。

大小問わず、思い出した順に箇条書きで構いません。

2)成果・実績
数字で示せる成果があれば書きますが、数字がなくてもOKです。

以下のような“行動実績”でも立派な材料になります。

・新人育成を担当した
・クレーム対応を任されていた
・業務改善を提案し、採用された
・部門間の調整役を担った

3)身についたスキル
専門スキルからビジネススキルまで、広く挙げてください。

例:Excel、コミュニケーション、調整力、課題発見力

この段階では深掘り不要です。

まずは“素材を集める”くらいの気持ちで進めましょう。

ステップ2:強みと価値観の仮説をつかむ(20分)

過去の経験から浮き上がる「強み」と「価値観」をざっくり言語化していきます。

あくまで仮説でOKです。後から修正できます。

1)自然と発揮していた強み
どんな業務の時に周りから評価されたか、どんな場面で力を発揮したかを思い出してください。

“頑張らなくてもできたこと”は強みのヒントです。

▼具体的な問いかけ(自分への質問例)
・「頼まれて、面倒だと思わなかったことは何か?」
・「人から『なんでそんなに早い(正確)なの?』と聞かれたことは?」
・「仕事で一番イライラした時、それは自分のどんな能力が活かされなかったからか?」

2)仕事選びで大事にしたい価値観
次のような観点から、特に重要な3つを選んでみましょう。

・成長機会
・安定性
・裁量の大きさ
・チームワーク
・社会貢献性
・年収・待遇
・ワークライフバランス

「なぜそれが重要なのか」を一言添えると、後で深めやすくなります。

▼具体的な問いかけ(自分への質問例)
・「もし給料が半分になっても、この要素(例:社会貢献性)は残したいか?」
・「仕事の満足度が高かった時期、その仕事には何が満たされていたか?」

3)使える“武器”の仮置き
ステップ1で書き出したスキルの中で、今後も活かしたい、または自分らしさにつながるものを1〜2個選び、仮の“武器”としておきます。

ステップ3:3年後の方向性を描く(10分)

ステップ3の目的は、「3年後を具体化すること」ではなく、「仮でもよいので“方向性”を決めること」です。

1)3年後、どんな働き方をしていたいか
役職、専門性、年収、働き方(リモート、管理職、スペシャリストなど)など、3年後にどのような形で働きたいかを考えてみます。

遠すぎる未来だとイメージもしづらいので、まずは3年後を目安に考えてみましょう。

▼具体的な問いかけ(自分への質問例)
・「どんな人たちと、どんな場所で働いていたいか?」
・「3年後の自分の年収と生活レベルは、どのくらいが理想か?」

具体的でなくても、「こんな方向なら興味がある」ぐらいでOKです。

2)強み × 価値観 から相性の良いキャリア領域を考える
ステップ1で出してみた「強み」と「価値観」から、自身の適性と合いそうな領域を考えてみます。

例:
・人のサポートが得意 → 人事・営業サポート・顧客対応
・数字管理が得意&安定志向 → 管理部門・バックオフィス
・裁量重視&企画力 → 営業企画・事業企画・スタートアップ

“3つほどの方向性が出れば合格”と考えてください。

3)使える“武器”の確認と目標設定
ステップ2で仮置きした“武器”を、この3年後の方向性でどう活かしたいかを簡単にメモしておきます。

ステップ4:アウトプットを1枚にまとめる(10分)

棚卸しの土台として、以下を1枚にまとめておくと、その後の転職準備や相談の質が格段に上がります。

・過去の経験
・成果・スキル
・強み(仮)
・価値観
・3年後の方向性(仮)

この1枚は職務経歴書を作るときにも、キャリアの専門家に相談するときにも、面接で自己紹介する時にもそのまま使える“ベースデータ”として機能します。

よくあるつまずきと対処法

棚卸しを始めると、多くの人が同じところでつまずきますので、対処法とあわせて、そのケースも最後にご紹介します。

▼つまずき例

・「実績が思い出せない」
数字にできる必要はありません。
担当していた業務の量や、任されていた役割も立派な実績です。
まずは行動を書き出しましょう。

・「強みが分からない」
他者から褒められたこと、頼まれたこと、ストレスなくできたことを思い出すとヒントが出てきます。
自分で決めなくても、まずは他者の評価を借りて仮決めしてみましょう。

・「未来の方向性が決められない」
“やりたくないこと”を書き出すと、方向性が絞りやすくなります。
「これだけは避けたい」という軸が見つかれば、逆の方向性が自然と浮かんできます。

・「深掘りしすぎて進まない」
今回の目的は“土台づくり”。
深掘りは後日、時間をかけて行えばOKです。
1時間で完璧にしようとしない意識を強く持ちましょう。

まとめ:まずは“土台をつくる”。そこから深めていけばいい

キャリアの棚卸しは、一度で完璧に仕上げる必要はありません。

むしろ、完璧を求めるほど、手が止まってしまいます。

大切なのは、

 ・まず1時間で土台をつくること
・その土台をもとに、必要に応じて深め続けること

 この2つさえ押さえておけば、キャリアの判断も転職の準備も格段に進めやすくなります。

今日の1時間が、これからのキャリア選択を大きく変えるスタートになるはずです。

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