ハラスメントにあたる?微妙な言動チェックリスト

キャリア論

「怒鳴られたわけじゃない。でも、なんとなく苦しい」
「注意されているだけなのか、ハラスメントなのか分からない」

最近、こうした“もやもやとした違和感”を抱える人が増えています。

かつてのような、誰の目にも明らかな暴言や暴力といった「真っ黒」なハラスメントは、企業の対策が進むにつれて減少傾向にあります。

しかし、その一方で増えているのが、白とも黒とも言い切れない「グレーゾーン」の言動です。

明確な悪意は見えない。でも、毎日少しずつ心がすり減っていく。 

実はこの状態こそが、働く人にとっていちばんしんどく、キャリアを蝕む要因になると言われています。

本記事では、「これはハラスメントです」と断定することを目的にはしていません。

あくまで、自身が感じている違和感を整理し、立ち止まって考えるためのチェックリストと、HR(人事)の視点からの判断基準を用意しました。

そもそもハラスメントとは?簡単におさらい

職場のハラスメントで代表的なのがパワーハラスメントです。

厚生労働省では、次の3つを満たすものと整理されています。

① 優越的な関係を背景にした言動
② 業務上必要かつ相当な範囲を超えている
③ 労働者の就業環境を害するもの

ここで重要なのは、「指導かどうか」よりも「受け取った側への影響」が重視される点です。

言った側に悪意がなかったとしても、あるいは「期待しているからこそ厳しくしている」という意図があったとしても、その手法が不適切で、相手が精神的な苦痛を感じて仕事に支障が出ているならば、それは職場環境への影響という観点から、問題として捉えられる可能性がある事象と言えるでしょう。

なぜ「グレーゾーン」がこれほど苦しいのか

今の時代、リモートワークによるコミュニケーションの希薄化や、価値観の多様化により、「どこまでが許容範囲か」の境界線が人によってズレやすくなっています。

だからこそ、白黒はっきりしないケースが多く、「自分の気にしすぎではないか」「この程度のことで声を上げるのは甘えではないか」という自責の念が、さらにあなたを追い詰めてしまう。

この「確信が持てない不安」こそが、グレーゾーンの正体です。

微妙な言動チェックリスト【上司・先輩編】

まずは、関係性に上下がある場合に起こりやすい言動です。

「当てはまるかどうか」だけでなく、その頻度や自身の心の反応を確認してみてください。

□ 人前で注意や指摘を受けることが多い
→ HRの視点: 内容が正当であっても、他人の前で恥をかかせる行為は、指導の範疇を超え「見せしめ」や「精神的攻撃」に該当する可能性があります。

□ 「みんなできてるよ」「前も言ったよね?」と言われる
→ HRの視点: 他者との過度な比較は、個人の尊厳を傷つけ、学習意欲を削ぐ行為です。「自分だけがダメなんだ」と自己効力感を低下させ、過度な自己否定につながりやすい表現とされています。

□ 業務と関係のない性格・価値観に触れられる
→ HRの視点: 「そういう性格だからミスするんだ」「その年次なら普通は……」といった人格への決めつけは、業務上の指導の範囲を超え、個人の尊厳に踏み込んでいると受け取られやすい表現です。

□ ため息、無言、強い口調など態度で圧をかけられる
→ HRの視点: 言葉による暴力がなくても、非言語(ノンバーバル)な圧力は、受け手に強い心理的ストレスを感じさせる要因になりやすいとされています。いわゆる「フキハラ(不機嫌ハラスメント)」に近い状態です。

□ 相談すると「考えすぎ」「気にしすぎ」と返される
→ HRの視点: 相手の感じ方を否定する、いわゆる「ガスライティング」に近い状態と受け取られることもあり、これにより被害側は自分の感覚を信じられなくなり、孤立を深めてしまう可能性が高まります。

これら一つひとつは小さく見えても、積み重なると大きなストレスになります。

微妙な言動チェックリスト【同僚・職場環境編】

ハラスメントは必ずしも、上から下へだけではなく、横の関係(同僚間)でも起こり得ます。

□ 業務に必要な情報の共有が、自分だけ漏れている、または遅い
解説: 意図的な情報遮断は「人間関係からの切り離し」という、職場での孤立を招く行為として、ハラスメントに該当すると判断される可能性があります。

□ 「冗談」「いじり」という名目で、欠点や失敗を繰り返しネタにされる
解説:本人が不快に感じている場合、冗談や笑いの範囲を超えた行為と受け取られる可能性があります。周囲が笑っている状況では、本人が「嫌だ」と言い出しにくい空気も問題です。

□ 飲み会やランチ、イベントを断ると、その後の態度が明らかに冷たくなる
解説:
私的領域への過度な干渉と受け取られやすく、配慮が求められる行為です。

□ 誰かが標的になっているのを、見て見ぬふりをする空気がある
解説: 組織としての課題が表面化しにくくなっている状態を示すサインとも言えます。

これらは「人間関係の相性」と片づけられがちですが、意図的な孤立や排除が続く場合、ハラスメントに該当する可能性があります。

大切なのは、「嫌だと感じる状態が放置されていないか」です。

「正当な指導」と「ハラスメント」の決定的な違い

「これは指導だから受け入れなさい」と言われたとき、混乱しないための判断基準を整理しました。

項目正当な業務指導ハラスメントの疑い
目的部下の成長、業務の完遂感情の発散、支配、排除
対象具体的な「行動」や「結果」相手の「人格」や「性格」
場所1対1など適切な場所公衆の前、大勢が見るチャット
表現具体的で建設的抽象的、感情的、人格否定
本人の反応納得感や改善への意欲恐怖、萎縮、過度な自責

「目的が正しいから、何を言ってもいい」というわけではありません。

目的・手段・結果のどれか一つでも著しくバランスを欠いている場合、指導として受け止められにくくなり、職場環境への影響が懸念される状態と言えるでしょう。

HR・キャリアの視点から見た「我慢」の3つのリスク

「仕事なんだから、多少のことは我慢すべき」 「これくらいで騒ぐのは、キャリアに傷がつく」

こうした考え方は、実はあなたの将来のキャリアにとって大きなリスクになることがあります。

リスク1. 学習性無力感に陥る

グレーゾーンの環境で否定され続けると、「何をしても無駄だ」「自分には能力がない」と思い込む「学習性無力感」という状態に陥りやすくなります。

こうなると、本来持っているはずのスキルが発揮できなくなり、転職や昇進への意欲も失われてしまいます。

リスク2. 「健全な判断力」が失われる

ストレスが限界を超えると、脳は正常な判断ができなくなります。

「逃げる」という選択肢すら思いつかなくなり、心身を壊すまで働き続けてしまう。

結果として、キャリア形成に大きな影響を及ぼしてしまうケースも少なくありません。

リスク3. あなたの市場価値が下がる

健全なフィードバックがない環境に居続けることは、正しいスキルアップの機会を逃していることと同義です。

あなたの才能を適切に評価し、伸ばしてくれる環境を選ぶことも、大切なキャリア戦略の一つです。

もやもやを整理し、自分を守るための3ステップ

もしチェックリストに多く当てはまり、「やっぱり辛い」と感じたなら、次のステップを試してみてください。

ステップ① 「客観的なログ」を取る

いつ、どこで、誰に、何を言われ(され)、どう感じたか。そして周囲に誰がいたか。感情的な日記ではなく、事実関係を淡々とメモしておくことは、将来自分を守るための最強の武器になります。

ステップ② 社外の「第三者」に話してみる

社内の人間に相談しにくい場合は、家族や友人、あるいはキャリアコンサルタントなど、利害関係のない第三者に話してみてください。

相談することは告発ではありませんし、弱さの表明でもありません

「それはおかしいよ」と言ってもらえるだけで、歪んでいた視界がクリアになります。

ステップ③ 「この環境で働き続けたいか」を問う

「相手が変わるかどうか」を期待するのは時間がかかります。それよりも、「この人たちと一緒に、3年後も笑って働いている自分をイメージできるか」を自分に問いかけてみてください。

おわりに|モヤっとした時点で、立ち止まっていい

ハラスメントかどうかを証明することは難しいかもしれません。でも、「あなたが嫌だと感じている」という事実は、誰にも否定できない真実です。

違和感を覚えるのは、あなたの心が「今の環境はあなたに合っていないよ」「大切にされていないよ」と教えてくれている、正常なアラートです。

すぐに辞めたり、誰かを告発したりする必要はありません。

まずは「私は今、無理をしているんだな」と認めてあげることが重要です。

今日、この記事を読んで立ち止まって考えたこと自体が、あなたが自分自身を守るための、大きな一歩なのです。

「自分のケースだとどう対処したら…」そう感じたら、プロの力を借りてみませんか?

「誰かに相談するほどのことではないかもしれない…」

そう思いながらも、この記事が気になってここまで読んだのなら、それ自体が、整理する価値のあるサインかもしれません。

一人で考え続けていると、どうしても視野は狭くなりがちです。

「自分が悪いのかもしれない」
「もう少し我慢すべきなのかもしれない」

そんな思考のループから抜けるために、一度、第三者の視点を借りることは、決して弱さではありません。

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