会社で浮いていると感じたら読む記事ー孤立を防ぐ思考術ー

「会社で浮いている気がする」
「自分だけ輪に入れていない」

そんな不安を抱えている人は少なくありません。

仕事をする上で、人間関係は避けて通れないものです。だからこそ、その孤立感はメンタルや仕事のパフォーマンスに大きな影響を与えてしまう可能性があります。その不安な気持ちを「放置しないこと」が、まず何より大切です。

この記事では、会社内で孤立を感じたときの思考の整理と、少しずつ関係性を築いていくための方法を解説していきます。

なぜ「浮いている」と感じるのか

まず、状況を確認してみることが重要です。

具体的な「浮いている」と感じる場面

自分が浮いてしまっているなと感じる場面を洗い出してみましょう。

例）
・会話に入りづらい
・仕事の相談が来ない
・飲み会に誘われない

など、できるだけ具体的に抜き出してみます。

客観的な孤立と主観的な孤立の違い

場面を洗い出してみたら、今度は、その孤立が客観的なものか、それとも主観的なものかを確認してみます。

客観的な孤立

客観的な孤立とは、周囲からみても実際に関わりが少ない・距離がある状態を指します。

例）
・業務上の会話以外で誰とも話していない
・飲み会やランチにまったく誘われていない
・チーム内で自分だけ情報共有が遅れている
・会議で自分の意見を誰も拾ってくれない

つまり、「第三者から見てもその人は孤立している」と言える状態です。

主観的な孤立

主観的な孤立とは、実際には関わりがあるのに、「自分は孤立している」と感じてしまう状態を指します。

例）
・周囲と雑談はしているのに「本音で話せていない気がする」
・チームに参加しているが「ここに自分の居場所はない」と感じる
・周囲の仲の良さを見て「自分だけ仲間外れ」と思い込んでしまう
・何気ない無視や軽い発言に強く傷つき、「自分は浮いてる」と受け取ってしまう

つまり、「周りから見ると問題ないようにも見えるが、自身の受け取り方として孤立している」と感じてしまう状態です。

なぜ分けて考える必要があるのか

客観的な孤立は、人間関係の構築が苦手だったり、組織文化になじめていなかったり、職場環境に問題がある可能性があります。

主観的な孤立は、実態として孤立しているわけではないですが、自己認知や過去の経験、不安傾向などによって「自分はここに受け入れられていない」と感じてしまっている可能性があります。

この違いを把握・理解することで、自分の感じている「浮いている」が、

・現実的に改善すべき環境の問題なのか
もしくは
・思考パターンや受け止め方を見直すべき内面的な問題なのか

を整理できます。

この2つが混在しているケースは多く、

・周囲の状況を冷静に観察する視点（事実ベース）
・自分の心の声に気づいて整理する視点（感情ベース）

の両方を持つことが、孤立から抜け出す一歩になります。

自己肯定感・期待とのギャップ

また、主観的孤立を生みやすい思考のひとつとして、自己肯定感や期待と、現実とのギャップが原因となっているケースもあります。

自己肯定感

自己肯定感とは、

「自分には価値がある」「自分はこの場所にいてよい」と思える感覚のことです。

この自己肯定感が低いと、たとえ周囲が普通に接していても

・「たぶん嫌われてる」
・「仲間として見てもらえてない」
・「自分だけ浮いてる」

といったネガティブな解釈をしやすくなります。これが主観的な孤立につながります。

期待と現実のギャップ

・自分では「もっと歓迎されるはず」「もっと話しかけてもらえるはず」と期待していたのに
・現実ではそれほどでもない（周囲がドライ、反応が薄い、話しかけても返答が短いなど）

このようなとき、「こんなはずじゃなかった」というギャップが生まれ、自分の存在価値を疑いやすくなります。

「全部自分のせい」と思いすぎるのも、「周囲が悪い」と決めつけすぎるのも極端

孤立感を感じてしまうときは、メンタル的にも落ち込んだりしやすく、「全部を自分、もしくは周囲の環境のせい」にしてしまいがちですが、そんな時は、そのどちらもが極端な考えとなっている場合が多いです。

まずは、事実と感情に基づいて、冷静に状況を確認してみましょう。

孤立を深めない思考術

次に、実際に孤立を深めないための考え方についてご紹介します。

考え方1：「人間関係は”合う・合わない”があって当然」と受け止める

すべての人と親密になれるにこしたことはないですが、やはりそんなことはほぼ不可能です。

どんな人気者にも、その多くのファンの一方には、アンチがいます。

合わない場合は、「これはもうしょうがないな」と、時に割り切ってしまうことも重要です。

淡々と仕事を進める上で必要なコミュニケーションをとることのみ集中して、自身へ不要なストレス負荷をかけないようにしてみましょう。

考え方2：「役割」で自分を見る視点を持つ

チームの中で求められている役割に集中することで、関係性が自然に築かれることもあります。

孤立感が生じる時は、相手が自分をどう思っているか気にしてしまったり、自身の感情に動揺してしまいがちです。

しかし、一旦チーム内において自分がすべき役割、仕事の方に集中してしまい、そのクオリティに対して意識を向けるという方法です。

あなたの仕事で成果を上げるにつれ、チームとの関係性もいつのまにか築かれ、気づけば孤立感が薄れている場合があります。

考え方3：自己開示の「さじ加減」を見直してみる

自分のことを、現状よりもう少しだけ周囲に話してみるという方法です。

もちろん、必要以上にプライベートやプライバシーに関わる部分までさらけ出す必要はありませんが、ちょっとした趣味の話や、仕事で感じたことなど、同僚に話をしてみましょう。

「あっ、私もその本読んでます！」

「僕もあのプロジェクトのこの部分はそう思ってたんですよねー」

など、共通点が見つかり、その共通点が関係のきっかけになりることがあります。

考え方4：「どう思われているか」より「どう関わっていくか」に意識を向ける

孤立感を感じている時は、

「嫌われているのかもしれない」
「変に思われたかも」
「また浮いた発言しちゃったな」

と、他人からの評価や印象に強く意識が向いていることがあります。

少し目線を変えて、どう思われるかではなく、周囲とどう関わっていくか、自分はどう行動するかに意識を向ける方法です。

この切り替えによって、他人からの反応を待つ受け身の形ではなく、自分から関係性を築くアクションを選択しやすくなります。

例）
・「嫌われたかも…」と悩む代わりに、「次は挨拶してみよう」「雑談に一言だけ入ってみよう」と考える
・「何も話しかけられない＝興味を持たれてない」と思う代わりに、「自分から軽い質問をしてみる」
・「会話に入れなかった…」と思っても、「次回、話題が振られたら一つだけ意見を言ってみよう」と準備しておく

どう思われたかを想像して悩むのではなく、具体的な行動を考えることが、孤立から抜け出す一歩になります。

孤立を感じた時のアクションプラン

では、最後に、具体的なアクションについて見ていきましょう。

話しかけやすい人に小さな相談から始める

「この資料ってこれで合ってますか？」など、ちょっとしたことを話しかけてみましょう。

雑談などはある程度プライベートな話が含まれる場合もあるので、ハードルが高く感じるかもしれませんが、仕事上必要なコミュニケーションの延長線上であれば、少しアクションが取りやすくなってきます。

雑談に1つだけコメントしてみる

少し慣れてきたら、思い切って雑談の中で1つだけで構わないのでコメントしてみましょう。難しそうであれば、相槌を打ってみるだけでもOKです。

誰かを変えるより、自分の接点の作り方を工夫する

小さな相談や、雑談へのコメント・相槌で慣れてきたら、その他の場面でも自分の接点の作り方を工夫してみましょう。

例）
・「ありがとう」を意識的に伝える
仕事を手伝ってもらったときに、少し丁寧に「ありがとうございます、助かりました」と言う。
感謝は心理的距離を縮める最強のツール。相手に好印象を残しやすいです。

・ 朝の挨拶を丁寧に返す・先にする
「おはようございます」を相手の目を見て、少し明るめの声で。
たとえ会話に発展しなくても、“存在を認識している”サインになります。

・ 共有スペースでの一言を大切にする
給湯室やエレベーターで会ったとき、「暑いですね～」など天気の一言でも良いと思います。
雑談のチャンスは、業務時間外の“すき間時間”にこそ多いです。

・ 自分の得意・強みをさりげなく共有する
誰かが困っていそうな場面で「もし必要なら調べますよ」「前にやったことあるので声かけてください」と伝えておく。
自分の“頼れる側面”を見せることで、相手が声をかけやすくなります。

・チーム内のコミュニケーションツールで「いいね」やリアクション機能があれば積極的に使う
対面で話すのが苦手でも、オンラインで反応を示すことで「関わってる感」は伝えられます。
ちょっとしたリアクションも、“見てくれてる人”という存在感になります。

これらは、「相手に強要しない関わり方」でありながら、自分の存在を少しずつ印象づける接点作りです。

孤立を感じているときほど「何か言ったら迷惑かも」と自分を引いてしまいがちですが、こうした「軽くて深くない接点」を積み重ねることで、周囲との距離感がゆるやかに変わっていくことがあります。

小さな積み重ねが、やがて大きな変化につながることもあります。

状況がどうしても改善しない場合は、「配置転換」や「転職」も選択肢に入れて良い

色々と試した結果、それでも状況が改善しないのであれば、違う部署への「異動」や、「転職」などを選択肢に入れても良いと思います。

今いる環境に固執する必要がないと思うだけでも、気持ちが軽くなることがあります。

まとめ：誰にでも「合わない職場」「孤独に感じる時期」はある

他人の評価は完全にはコントロールできませんが、「自分の言動」はコントロールが可能です。

考え方やアクションによっては、人との距離感は、少しずつ変えられます。

しかし、とはいっても「合わない環境」や「孤独に感じる時期」というのは誰しにもあるものです。

必要以上に自分を責めたり、負荷をかけすぎることなく、その中で自分からも一歩踏み出してみて、今後の進み方を考えていきましょう。

「一人で考えるのは不安…」そう感じたら、プロの力を借りてみませんか？

「とはいっても一人だと冷静に状況を確認できなそう…」 「プロに具体的にアドバイスしてもらいたい…」

というご不安をお持ちの場合は、ぜひキャリアの専門家への相談も検討してみてください。

ストローラー株式会社では、1,000名以上のキャリア支援実績をもとに、様々なキャリア構築のサポートをご提供しています。

▶孤立を感じる原因と今後の対策の整理
▶強みや弱みの深掘り
▶転職すべきどうかの見極め

ご自身の新しいキャリアを築くために、一歩踏み出すあなたを、私たちプロが全力でサポートいたします。
→ キャリア相談サービスの詳細は下記よりご確認ください