「この会社で、この先の自分が想像できない」 「尊敬できる先輩や、目指したい上司がいない」
キャリア相談の現場で、こうした声は珍しくありません。とくに若手〜中堅層になるほど、「ロールモデルがいないこと」への不安は大きくなりがちです。
多くのキャリア論では、「ロールモデルを見つけよう」「あの人のようになろう」と語られます。
しかし現実には、そもそもロールモデルが存在しない職場も多いものです。
本記事では、「ロールモデルがいない職場でキャリアが描けない」と悩む方向けに、人事・採用の視点から原因と対策を整理しつつ、理想の先輩がいなくても、自分なりのキャリア戦略を描く具体的な方法を解説します。
なぜロールモデルがいない職場は珍しくないのか

まず前提として知っておいてほしいのは、ロールモデルがいない職場は決して珍しくないということです。
これには構造上の理由があります。
組織の構造とフェーズの問題
たとえば、次のような環境ではロールモデルは自然発生しにくくなります。
・成長痛の真っ只中にある組織: 急成長中のベンチャーなどは、上の世代も手探り状態で「前例」がありません。
・人材の流動性が高い: 長く在籍する社員が少ないため、長期的なキャリアパスが可視化されません。
・管理職の過負荷: 現場のリーダーが疲弊していると、その姿が魅力的に映らず、「ああなりたい」とは思えなくなります。
・事業環境の激変: 5年前の正解が今の不正解になるような業界では、先輩の経験がそのまま通用しません。
「キャリアの自律」が求められる時代背景

HRの視点で見ても、「会社が用意したレール(ロールモデル)」が存在する組織は、少なくなりつつあります。
かつての終身雇用モデルでは、隣の席の先輩が10年後の自分の姿でした。しかし、VUCA(変動・不透明・複雑・曖昧)と呼ばれる現代、企業も「一律の正解」を提示できなくなっているのです。
「ロールモデルが見つけられない自分がダメなのだ」と自分を責める必要はありません。
むしろ、「特定のモデルがいない=自由な設計図を描けるチャンス」と捉え直すことから、新しいキャリアは始まります。
「ロールモデル依存」のキャリア設計に潜む落とし穴

一方で、ロールモデルがいることを前提にキャリアを考えることには、意外な落とし穴もあります。
「理想のあの人」を追いかけることは、一見近道に見えますが、現代においてはリスクも伴います。
・目標消失のリスク: 憧れの先輩が退職や異動をした瞬間に、自分の目指す目標が消えてしまいます。
・再現性の欠如: その人が成功した背景には、当時の市場環境や個人的なコネクションなど、言語化されない「運」の要素も含まれています。同じことをしても同じ結果が出るとは限りません。
・自己肯定感の低下: 「あの人のようになれない自分」を欠点として捉えてしまう。本来、キャリアは個人の特性を活かすものであるはずなのに、他人との比較で苦しくなってしまうのです。
キャリアはコピーではありません。他人の人生をそのまま再現するものではなく、自分の持ち味をどう活かすかという視点が不可欠です。
ロールモデルがいないときのキャリア設計・5つの視点

ロールモデルがいない環境で、どうやって自分なりの「正解」を見つけていくべきか。
具体的な5つの戦略をご紹介します。
視点① 「なりたい姿」より「なりたくない未来」を決める
ロールモデルがいないときこそ有効なのが、「反面教師」という考え方です。
「こういう働き方はしたくない」「この状態にはなりたくない」と感じる上司や先輩はいないでしょうか。
それは立派なキャリアの指針になります。
嫌なものを明確にすることで、消去法的に「自分が大切にしたい価値観」が浮かび上がってきます。
視点② 1人をモデルにしない(分解型ロールモデル)
理想の人間を一人に絞る必要はありません。複数の人から「良いとこ取り」をするのです。
社内に限らず、過去の上司や社外の人物でも構いません。
- Aさんの「専門スキル」
- Bさんの「周囲を巻き込む調整力」
- 社外の友人Cさんの「ワークライフバランスの取り方」
このように、要素ごとにパーツを集め、自分の中で組み合わせて「自分専用のロールモデル」を合成します。
視点③ 職種ではなく“スキルと経験”で現在地を見る(スキルの分解)

肩書きや職種名だけでキャリアを考えると、視野が狭くなりがちです。
例えば、「営業部長になりたい」といった肩書きでキャリアを考えると、社内にモデルがいないと詰んでしまいます。
しかし、「交渉力」「データ分析力」「プロジェクト管理能力」といった分解された各スキルで考えればどうでしょうか。
今の職場で身についているスキルや経験は何か。それは次の環境でも通用するものか。
スキルの分解を行うことで、社内にモデルがいなくても「今ここで働く意味」を明らかにしていくことができます。
視点④ 会社の中ではなく「市場価値」を基準にする
社内での評価と、市場(他社や社会全体)での評価は必ずしも一致しません。
転職する・しないに関わらず、「この経験は外でどう評価されるか」という視点を持つことで、キャリアの選択肢は広がります。
視点⑤ キャリアは一本道ではなく「散歩道」
キャリアを「登るべき山」と捉えると、ガイド(ロールモデル)がいないことが恐怖になります。
しかし、キャリアを「散歩道」と捉え直してみたらどうでしょうか。
寄り道も、立ち止まることも、時には引き返すことも、すべてが経験という風景になります。
キャリアは一直線に進むものではありません。大切なのは「自分で選んで歩いている」という感覚を持つことです。
迷っている時間も、キャリアの一部なのです。
それでも迷ったときに | 今日からできる具体的な3つのアクション

漠然とした不安が消えなければ、まずは小さな行動から始めてみましょう。
①「やりたくないことリスト」を書く
「なりたい姿」が分からなくても、「これだけは嫌だ」という条件は書き出せるはずです。それがあなたのキャリアの防波堤になります。
② 社外のメンターやコミュニティに触れる
社内にモデルがいないなら、外に求めれば良いだけのこと。他社の同世代と話したり、勉強会に参加したりすることで、「会社という箱」から一歩外に出た視点を得られます。
③ 上司に「期待値」を確認する(ロールモデル不在の相談)
「目指すべき姿が見えなくて不安です」と正直に伝えるのも手です。上司自身も悩んでいるかもしれません。あるいは、会社側があなたに「新しいタイプのリーダー」になることを期待している可能性もあります。
ロールモデルがいないからこそ、自分の地図を描ける

ロールモデルがいない職場は、たしかに不安を感じやすい環境です。
しかし、それは「誰かの正解をなぞらなくていい」という、自由が与えられている状態でもあります。
誰かが作った道を走るレースは、順位を競う苦しさがあります。
一方で、道なき道を行く散歩は、あなたが見つけた景色すべてがあなたの資産になります。
迷っている時間も、葛藤しているプロセスも、すべてがあなたのキャリアという「散歩道」の一部です。
誰かのコピーではない、あなただけの道を歩いていきましょう。
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