「この会社で働き続けるべき?」と思ったときに考えるべき視点

転職

「このままこの会社で働いていて本当にいいのかな…」

会社で働く多くの人が一度は考えたことのある悩みではないでしょうか。

実際、ご相談としても非常に多く寄せられているものの一つです。

そうは思っても、具体的になにがそう感じさせているのか分からず、モヤモヤし続けてしまったり、えいやと勢いで会社を辞めてしまって後悔する方もいます。

本記事ではそんな悩みにぶつかったとき、どんな視点や基準で考えると整理がしやすいのかについて、まとめてみたいと思います。

はじめに:絶対後悔しない選択はない

具体的な判断基準をご紹介する前に、まず、はじめにお伝えしたいのは、

キャリア構築において絶対的な正解はない

ということです。

どんな選択肢を選んでも、その人にとって良い面と悪い面が存在します。

「隣の芝生は青い」とはよく言ったもので、選ばなかった選択肢は必ずよく見えますし、それさえ選べばそれ以降不安や悩みが発生しない、すごろくの上がりのような選択肢は存在しません。

月並みな言い方になりますが、「選んだ選択肢が正解になるように努力する」に尽きます。

しかしながら、転職などの人生の転換点においては、「絶対損な選択はしたくない!」という思いが強くなりやすいです。

それは必ずしも悪いことではないのですが、強すぎると、後悔も大きくなりがちです。

まずは、「唯一無二の正解はないんだ」という考えを持ったうえで、現状とこれからの選択肢を考えてみるのがオススメです。

※専門的なキャリア理論の中には、そもそもキャリアは計画的に構築できないという理論もあったりします。この辺りはまた別途記事で解説できればと思います。

視点1:「会社が悪い?それとも自分?」不満の正体を見極めよう

では、実際に具体的な判断基準・視点を見ていきましょう。

まずは、モヤモヤの要因が、「環境」なのか「自分」なのかを考えてみると整理がしやすいです。

よくある不満の要因を分けてみると、下記のようになります。

例)
【環境】
・会社の方針
・給与が低い
・対人関係
・評価体制 など

【自分】
・仕事への達成感、やりがい
・仕事を通じた成長
・責任感 など

不満を分解して整理をすることで、

その不満を改善できる可能性はどれくらいあるか

が見えてきます。

一般的に、環境的な要因は、その原因が自分以外の外部によるものが多く、自分一人で改善を図るのは難しい傾向にあります。

一方、自分要因に関しては、仕事への取り組み方や考え方を変えることで、自分一人でも改善ができる可能性があります。

仮に、どうしても譲れない不満部分が改善できない可能性が非常に高いのであれば、「転職した方がよさそうだな」という判断をしやすいですし、整理してみたら意外と改善できる要因ばかりであれば、まだ今の会社で頑張るという選択肢を考えることができます。

視点2:あなたが本当に大事にしたいものは何?働く軸を考える

次に考えるべき視点は、自分の「働く軸」がなにかということです。

働く軸というのは、

自分が働く上で大事にしていること

です。

給与なのか、ワークライフバランスなのか、同僚との関係なのか、専門的な技術なのか

オススメな方法は、自分が働く時に重要だと思う要素を並べて、各要素に5点満点などで、今の会社での満足度に点数をつけてみることです。

例えば、「給与」「やりがい」「通勤時間」「ワークライフバランス」「同僚」の5つが自分にとって大事な要素であれば、

「うーん、給与は同世代の平均くらいだから3点、やりがいは簡単な仕事ばかりで正直ないから1点、通勤時間は電車で10分だから5点…」

のような、形で点数をつけていきます。

そうすることで、自身の仕事の軸と今の会社での働き方がどの程度合致しているのかが見えてきます。

ちなみに、ここは注意が必要なのですが、転職したからといって、いきなりこの満足度の合計値が増えることはほぼありません。

同じか、むしろはじめは少し減ることが多いです。

転職は合計値の増加をいきなり目指すものではなく、基本的には、その配分を変えるアクションです。
(もちろん、将来的に転職することで合計値が現職より増える可能性はあります)

「もっとやりがいを大事にしたいから多少給与と通勤時間が減ってもいいので、給与3点→2点、通勤時間5点→3点にして、やりがい1点→4点の環境を目指すか」

というような考え方です。

この視点で軸と今の会社の合致度を整理してみると、留まるか転職するかの判断をしやすくなります。

視点3:辞めればすべて解決?それでも残るモヤモヤとは

ここまでの考えの整理で、モヤモヤ漠然としていた不安や不満に対して、ある程度現状が見えてきたかと思います。

最後に、考える視点は

「仮に辞めたとして、その不満は本当に解消するのか?」

です。

例えば、直属の上司と相性があわず、会社を辞めるかどうか悩んでいる場合、転職先で相性ぴったりの上司となる可能性は未知数です。

仮に転職前から上司となる方が分かっているから大丈夫という場合も、未来永劫その人が上司である保証はありません。次の人事異動で上司は変わるかもしれませんし、あなた自身が異動となる可能性は、会社組織である以上ゼロではないはずです。

ここでお伝えしたいことは、「辞めても解消しないのなら、転職しない方がいい」ということでは決してありません。

仮に転職先で不満が解消されるか未知数だとしても転職した方が良さそうだと判断するケースは、キャリア支援の現場でも往々にしてあります。
(実際、私もその方の状況を総合的に判断して、そういったアドバイスをさせていただく場合もございます。)

なぜ最後にこの視点を考えた方がよいのかというと、主に次の2点が大事だからです。

・まだ今の会社でやれることはないかを考える
・仮に転職しても不満は解消されない場合もあることを知っておく

まだ今の会社でやれることはないかを考える

不安や不満というのは、いやなものですが、実は逆にチャンスでもあったりします。

なぜなら、不安や不満を自身の行動で乗り越えた経験というのは、自分自身を非常に成長させるものだからです。

まったく不安も不満もない環境で過ごすというのは、理想的にみえますが、ネガティブな状況に陥ったときに対する耐性も失われがちです。

「どうせだめなら転職すればいいか」くらいの気持ちで、現状の不満に対して挑んでみてもよいのではないでしょうか。

上司への相談、部署異動の希望、あるいは自身の仕事への取り組み方を変えるなど、できることは意外とあるかもしれません。

特に改善アクションを起こさないで転職した場合、転職後に「あーもっとこういうこともできたかもなあ」と後悔につながる場合がありますが、ある程度チャレンジしてみてダメなのであれば、悔いなく次のステージにも移りやすいです。

その挑戦自体が、あなたのキャリアを豊かにする経験となるはずです。

仮に転職しても不満は解消されない場合もあることを知っておく

メンタル的な話ですが、これは結構大事です。

転職すれば解決するんだ!

という気持ちでいると、いざ転職して解決しなかった場合、心理的なダメージは非常に大きいものがあります。

もちろん、解決のために転職というアクションを起こすのですが、それでも解決しない場合もあるぞと心の底に置いておくだけでも、転職先でのパフォーマンスに差が出てきます。

まとめ:迷うことは、前に進むための大事なステップ

「この会社で働き続けるべきか?」という問いは、単に辞める・辞めないを決めるためのものではありません。

絶対的な正解はないからこそ、今回ご紹介したような視点をもとに、

・不満の本質は何か
・自分が大切にしたい軸は何か?
・そして、自分はどうありたいのか?

を丁寧に見つめることで、今の会社を続けるにせよ、転職するにせよ、自分の価値観やキャリアの方向性を見つめ直す、大事なきっかけになります。

立ち止まって悩むことは、決して悪いことではありません。むしろ、自分自身と向き合い、より良い未来を築くための大切な時間です。

もし、自分ひとりでは整理しきれないと感じたときは、信頼できる人に相談するのも有効な手段です。

キャリアの悩みは自分一人だけで背負いこむものではありません。

本記事が、あなたのキャリアを考える上で、少しでもお役に立てたなら幸いです。

※※※※※※

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