オンライン面接で「通信トラブル」が発生した時の正しい対処法と採用担当者が評価する“人間力”

コロナ禍をきっかけに、オンライン面接は今や多くの企業で定着しました。

移動の手間もなく、自宅からリラックスして受けられる一方で、避けて通れないのが「通信トラブル」です。

音声が途切れたり、映像が固まったりといったトラブルは、どんなに準備をしていても突然起こるもの。

そんな時、焦ってしまうのは当然ですが、実は「トラブルそのもの」よりも「その後の対応」が評価に大きく影響します。

企業がオンライン面接で見ているのは、通信の安定性だけではありません。

予期せぬトラブルに遭遇した際に、『いかに落ち着いて、相手への配慮を忘れず、解決へ向けてコミュニケーションできるか』という、入社後に必ず求められるストレス耐性や問題解決能力を試しています。

まさにこの瞬間こそ、あなたの冷静さや誠実さが伝わるチャンスです。

本記事では、オンライン面接中に通信トラブルが起きた際の正しい対処法と、事前の準備・トラブル後のフォロー方法までを詳しく解説します。

いざという時に落ち着いて行動できるよう、ぜひ参考にしてください。

よくある通信トラブルのパターン

まずは、オンライン面接で起こりやすいトラブルを知っておきましょう。

想定しておくだけでも、いざという時の焦りがぐっと減ります。

・音声トラブル
相手の声が聞こえない、自分の声が届かない

・映像トラブル
カメラが映らない、画面が固まる

・接続トラブル
通信が不安定で、途中で切断される

・操作ミス
ミュート解除を忘れる、画面共有できない

多くの場合、これらのトラブルは「一時的な通信不良」や「アプリ設定の不具合」で起こります。

事前に動作確認をしていても、環境によっては予期せぬエラーが発生することもあります。だからこそ、“起きても冷静に対処できる準備”が大切です。

トラブル発生時の正しい対応ステップ

それでは、トラブルが実際に起きてしまった時の対応方法について、ステップ毎にみていきましょう。

ステップ1：落ち着く

まずは深呼吸。

一瞬で画面が固まったり、相手の声が途切れたりすると焦りますが、慌てた様子を見せると「冷静さに欠ける」という印象を与えかねません。

一呼吸置いて、「今どうなっているか」を確認する姿勢が大切です。

もし相手の声が聞こえなかったり、映像が止まっている場合も、自分側の音声や映像が通じている可能性もあるため、一方的に通話を切ったり、慌てて大声を出したり、操作を連打したりするのは逆効果です。

ステップ2：相手に簡潔に伝える

通信が不安定だと感じたら、早めに相手に伝えましょう。

言い方のポイントは「短く・丁寧に・前向きに」です。

「少々通信が不安定のようです。再接続してもよろしいでしょうか？」

「音声が聞こえづらいようです。一度入り直してもよろしいですか？」

このように、原因を探るよりも「どう対応するか」を先に伝えることで、スムーズにやり取りできます。

ステップ3：復旧を試みる

再接続や機器の確認を冷静に行いましょう。

主な確認ポイントは以下の通りです。

・Wi-Fiの再接続、またはモバイル回線への切り替え
・Zoom／Teamsなどのアプリを一度閉じて再起動
・イヤホン・マイクの抜き差し、設定確認
・別デバイス（スマホなど）で再接続

2〜3分（目安としては、長くても5分は超えない時間）試しても改善しない場合は、「別の手段」（電話面接や日程変更）を提案しても構いません。

提案例：
「通信が不安定なため、もしよければお電話での対応に切り替えてもよろしいでしょうか？」

このような冷静な判断ができる人は、トラブルをチャンスに変えられます。

ステップ4：再開後の印象回復ポイント

再接続できたら、まずは一言、相手への気遣いを示しましょう。

「先ほどはご迷惑をおかけしました。再開できて安心しました。」

短い一言でも、誠実な印象を与えられます。

その後は気持ちを切り替え、明るく面接を続けること。

トラブルの影響を引きずらず、普段通りのコミュニケーションを意識しましょう。

トラブルを未然に防ぐための事前準備

面接前にちょっとした確認をしておくだけで、トラブルの多くは防げます。

・通信環境のチェック
可能であれば有線LANを使用。Wi-Fiの場合は他の機器を一時的に切っておく。

・デバイスの充電・更新確認
途中で電源が切れたり、OSの更新が入ったりしないように。

・使用ツールの動作確認
ZoomやTeamsは、最新版にアップデートしてからログインテスト。

・バックアップ手段を用意
スマホの4G回線や、別端末でアクセスできるよう準備しておく。

・連絡手段を控える
面接担当者の電話番号やメールアドレスを事前にメモしておく。

・家族・同居人への事前周知:
家族が同時に動画視聴やゲームなどで通信帯域を圧迫しないよう、事前に面接時間を共有しておく。

・「面接専用URL」の確認
面接前に送られてきたURLを、面接開始10分前だけでなく、前日にも一度クリックしてアクセスできるか確認しておく（リンク切れや間違いを防ぐ）。

・PCの「おやすみモード」設定
通知音やポップアップ（Slack、メールなど）が面接中に鳴らないよう、PCやスマホの「おやすみモード」を設定する。

これらを整えておけば、「もしも」にも動じません。

準備とは“自信を持って臨むための保険”でもあります。

トラブル後のフォローで印象を上げる

フォローメール例

面接後、通信トラブルがあった場合は、簡単なフォローメールを送るのがおすすめです。

面接時に誠実に対応していれば問題ありませんが、メールで一言添えるだけで印象がより良くなります。

件名：本日の面接のお礼（〇〇〇〇）

〇〇株式会社

採用ご担当者様

本日はお時間をいただき、誠にありがとうございました。

通信が一時的に不安定な場面があり、ご迷惑をおかけしました。

改めてお話しできたことを嬉しく思っております。

どうぞよろしくお願いいたします。

〇〇〇〇（氏名）

“誠実なフォローができる人”という印象は、採用担当者の記憶に残りやすいものです。

採用担当者はどう見ている？

多くの採用担当者は、通信トラブルそのものをマイナス評価しません。

むしろ、トラブル発生時にどのような態度で対応したかを重視しています。

「すぐに落ち着いて再接続してくれた」
「謝意を伝えて再開できた」

といった行動が見られると、「この人は冷静で柔軟な人だな」と好印象です。

つまり、トラブルの瞬間こそが“あなたの人間力”を見せるチャンスでもあります。

NG対応例

ちなみに、「やってはいけない対応」としては以下のような行動です。

▼NG対応例
・ 復旧を諦め、無言で面接から退出してしまう。
・イライラした態度を見せたり、ため息をついたりする。
・謝罪の言葉がないまま、当たり前のように面接を再開する。

トラブル時にこそ、感情のコントロールと相手へのリスペクトを欠かさない姿勢が、採用担当者にとって最も重要な評価ポイントとなります。

まとめ

通信トラブルは、オンライン面接において誰にでも起こりうることです。

大切なのは、「完璧に防ぐこと」ではなく、「起きた時にどう対応するか」。

焦らず、丁寧に、そして誠実に行動できれば、それはむしろ「冷静な判断力」として評価されることもあります。

トラブルを恐れるよりも、“対応力を見せるチャンス”と捉えて、自信を持って面接に臨みましょう。

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