職務経歴書の「成果」を“数字以外”で表現する方法

転職

職務経歴書というと、「数字で語る実績」が重視されるイメージがあります。

営業なら売上、採用なら採用人数、カスタマーサクセスなら継続率…。

確かに、数字は分かりやすく、成果を端的に示せる強力な指標です。

しかし実際には、すべての仕事が数字に置き換えられるわけではありません

特に管理部門やサポート職、企画・クリエイティブ職、調整型の仕事では、「成果を数値化すること自体が難しい」ケースが多くあります。

一方で、企業が見ているのは「数字」そのものではなく、その人がどんな価値を生み、どう行動して成果につなげてきたかという点です。

つまり、数字がなくても“価値貢献”を示す方法はたくさんあります。

本記事では、「数字が書けない」「成果が分かりにくい」と感じている方に向けて、数字以外の成果をわかりやすく、採用担当者に伝わる形にする方法を紹介します。

成果を“数字以外”で表現するための3つの視点

数字が使えなくても、成果を表現する方法は大きく3つあります。

この3つの視点を押さえるだけで、あなたの職務経歴書は一気に読み応えのある内容になります。

視点① プロセス(取り組み方)を価値に変える

多くの応募者は「やったこと(タスク)」は書けますが、「どう取り組んだか(プロセス)」を書く人は少数です。

しかし採用担当者が知りたいのは、まさにこのプロセス部分。

・どんな工夫をしたのか
・どんな判断軸で動いたのか
・どのように周囲を巻き込んだのか

これらは数字がなくても、その人の再現性・思考力・仕事観がよくわかる重要な情報です。

視点② 変化(Before/After)で伝える

数字が無くても、「状況の変化」は立派な成果です。

この「変化」は、あなたが能動的に業務に取り組んだ証拠となります。

・混乱していた業務が整理された
・顧客の不満が減った
・会議がスムーズに進むようになった
・チームのコミュニケーションが改善した

こうした変化は、実際のビジネス現場で“価値”として扱われるもの。

ビフォアー/アフターを意識して書くと、成果としてのインパクトが生まれます。

視点③ 他者評価(第三者の声)を成果にする

数字に代わる、もっとも説得力のある情報の一つが他者評価(第三者の声) です。

・「◯◯業務を任せてもらえるようになった」
・「顧客からの指名依頼が増えた」
・「社内の相談件数が増えた」

これらは全て「周囲がその人の価値を認めた証拠」。

単なる人柄アピールではなく、事実ベースであれば、非常に強力な成果として使えます。

”数字以外”でも伝わる成果の書き方テンプレート

ここでは実際に使える3つのテンプレートを紹介します。

テンプレ①:プロセス強調型

【課題】どんな状況・難しさがあったか  
【取り組み】何を意識し、どう工夫したか  
【結果】どんな変化が生まれたか(数字以外でOK)


「問い合わせ対応が属人化しており、回答にばらつきが出ていたため、『どの担当者が対応しても同じ品質を保つ』という視点で資料を整理しFAQを作成。担当者が変わっても統一した対応ができる仕組みを構築し、チームでの対応品質が安定した。」

数字がなくても、「課題→行動→変化」の流れで成果がくっきり見えます。

テンプレ②:行動の質/再現性型

【行動】どんな観点・判断軸で業務を進めたか  
【理由】なぜそのアプローチが有効だったか  
【価値】結果としてどんな価値につながったか


「顧客ニーズを正確に把握するため、初回ヒアリングで必ず背景・課題・目的の3点を確認。これにより提案内容がぶれず、顧客から『説明が分かりやすい』という声を多くいただくようになった。」

行動の質が伝わるため、職種を問わず有効です。

テンプレ③:信頼・任され度アップ型

【状況】信頼が高まった背景  
【事実】任されるようになった業務・役割  
【価値】それによりどんな成果や貢献が生まれたか


「正確性を重視した丁寧な対応を評価され、営業資料の最終チェックを任されるように。ミス防止に寄与し、チームの業務効率向上にもつながった。」

他者評価は、数字以上の説得力を持つケースも多いです。

職種別:“数字なし成果”の具体例

ここでは職種ごとに、数字以外で成果を示せるポイントを紹介します。

実際の業務に当てはめながら読み進めてください。

事務・バックオフィス

・業務手順を整理し、誰でも対応できる状態をつくった
・書類作成や入力ミスが減り、チーム全体の進行がスムーズ
・部署間の調整を行い、会議準備や資料収集が迅速化
新人が早く戦力化できたのは、自分のサポートがあったから

これらは数字では測れませんが、組織運営に欠かせない成果です。

事務職は「縁の下の力持ち」が多いため、変化やプロセスを書き込むと評価されやすくなります。

カスタマーサポート

・クレーム対応のフローを整え、エスカレーションの混乱を減らした
・顧客とのコミュニケーションで“安心感”や“信頼感”を得た
・対応履歴を整理し、チーム全体の対応精度が向上
・難易度の高い問い合わせを任されるようになった

顧客の声や反応の変化、社内評価を成果として使えます。

企画/マーケ/クリエイティブ

・コンセプト作成時のリサーチや仮説設計が的確で、提案が通りやすくなった
・プロジェクト推進がスムーズになり、意思決定が早まった
・ユーザーから好意的な反応が増える(SNSの反応など)
・関係者との調整により、納期や品質の管理が安定した

数字が取りづらい仕事ほど、プロセスや関係者との連携が成果になります。

「反応」や「意思決定のしやすさ」は、定性的な成果として強くアピールできます。

営業(数字以外の視点)

営業は数字を求められる職種ですが、「数字以外の成果」も多く存在します。

・顧客と長期的な信頼関係を構築
・新規提案を持ちかけられる関係性を維持
・課題ヒアリング力の高さを評価され、他部署案件を紹介された
・顧客課題の深掘りを丁寧に行い、提案内容の質が上がった
・チームメンバーから案件相談を受けることが増えた
・トラブル時に迅速に対応し、顧客満足度が向上した

営業経験者が「数字では書けない価値」を表現すると、一段と説得力が増します。

ありがちな失敗と回避方法

数字以外の成果を書こうとすると、陥りやすいポイントがあります。

① 抽象的になりすぎる
「頑張りました」「工夫しました」だけでは全く伝わりません。

どんな工夫か?/なぜそれが有効だったか? まで書く必要があります。

② 当たり前の業務を成果として見せにくい
日常業務ほど成果が分かりにくいですが、

Before(困りごと)→After(改善) の構造にすれば成果として成り立ちます。

③ 人柄アピールになってしまう
「明るく接する」「コミュニケーションが得意」など人柄だけでは不十分。

必ず 行動の裏付け をセットで書きましょう。

④ 業務の羅列で終わる
やったことを書くだけでは“価値”が伝わりません。

どの業務で、どんな変化があったのかまで落とし込むことが重要です。

まとめ

数字が書けなくても、成果は十分に表現できます。

むしろ、数字に頼らず価値を言語化できる人は、どんな職種でも選考で評価されやすくなります。

大切なのは、以下の3つの視点です。

・プロセス(取り組み方)
・変化(Before/After)
・他者評価(任され度・信頼)

これらを組み合わせれば、職務経歴書の説得力は大きく向上します。

数字が出しづらい職種こそ、自分の取り組みや価値を丁寧に言語化することで、他の応募者との差別化につながります。

数字がなくても、あなたの仕事の価値は必ず伝わります。

本記事を参考に、ぜひ“数字以外の成果”を魅力的に表現してみてください。

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