「もう辞める会社だから」と気持ちが緩み、退職前の行動が雑になってしまう人は少なくありません。
しかし、退職時の対応は、その後のキャリアや人間関係に影響することがあります。
引き継ぎ不足や感情的な言動が原因でトラブルに発展すると、有給休暇の消化や退職日の調整が難しくなるリスクもあります。
退職は、会社を離れるための手続きであると同時に、社会人としての適切な対応が求められる場面です。
この記事では、円満退職を目指す方が避けるべき「退職前のNG行動10選」と、トラブルを防ぐための具体的な対策を解説します。
退職前にNG行動を避けるべき理由

退職時のトラブルを避けるべき理由は、主に以下の2点です。
理由① 退職後も前職の人間関係が続く可能性があるため
退職すれば会社との関係が完全に終わると思う人もいますが、実際にはそうとは限りません。
業界によっては、転職先で前職の関係者と再会することもあります。取引先として関わるケースもあるでしょう。
また、前職の同僚や上司が別の会社へ転職し、数年後に再び関係を持つことも珍しくありません。
退職時の印象が悪いと、思わぬ場面でマイナスに働く可能性があります。最後まで誠実に対応することが大切です。
理由② 感情的な退職は自分が損をしやすい
退職前は、精神的な負担やストレスが大きくなりやすい時期です。
しかし、感情的に行動すると、結果的に自分が不利になることがあります。
例えば、
・有休消化の相談が進みにくくなる
・引継ぎトラブルが発生する
・社内での印象が悪化する
・必要書類の受け取りがスムーズにいかない
などです。
「辞める会社だから何をしてもいい」という考えではなく、最後まで冷静に対応することが重要です。
退職前にやってはいけないNG行動10選

実際に、退職時のトラブルにつながりやすいNG行動を10個紹介します。
NG行動① 無断欠勤・突然出社しなくなる
退職を決めた後でも、無断欠勤や突然の欠勤は避けるべきです。
会社側は、業務調整や引継ぎ対応を進める必要があります。連絡が取れない状態になると、周囲に大きな負担をかけてしまいます。
また、無断欠勤は規律違反となり、状況によっては退職金の減額や懲戒解雇などの処分対象になるリスクもあります。
体調や精神面の問題で出社が難しい場合は、まず会社へ連絡し、状況を共有することが大切です。
NG行動② 会社や上司の悪口を言いふらす・SNSへ投稿する
退職が決まると、不満を周囲へ話したくなる人もいます。
しかし、会社や上司への批判を社内外で言い続ける行為はおすすめできません。
話した内容は想像以上に広まりやすく、最終的に自分の評価へ影響することがあります。
特に、SNSへの投稿は注意が必要です。匿名であっても個人や会社が特定されるリスクがあり、法的トラブルに発展するケースもあるため注意が必要です。
退職理由がネガティブなものであっても、最後まで冷静な対応を意識しましょう。
NG行動③ 業務の引き継ぎを放棄・適当に済ませる
退職前の重要な業務の一つが引継ぎです。
「どうせ辞めるから関係ない」と考え、引継ぎを適当に済ませると、周囲へ大きな負担を残してしまいます。
担当業務の状況や進行中の案件、取引先情報などは、できるだけ整理して共有しておくことが大切です。
丁寧な引継ぎは、円満退職につながるだけでなく、自分自身の印象を守ることにもつながります。
NG行動④ 有給休暇の消化を一方的に押し通そうとする
有休取得は労働者の権利です。
ただし、退職前の有休消化では、会社との調整も重要になります。
例えば、引継ぎがほとんど終わっていない状態で「明日から全部休みます」と一方的に伝えると、現場が混乱する可能性があります。
もちろん、会社側が有休取得を不当に妨げることは問題ですが、実務上は双方の調整姿勢が重要です。
トラブルを避けるためにも、早めに相談しながら進めることをおすすめします。
NG行動⑤ 転職先の情報を必要以上に話す
転職先の企業名、年収、待遇などの詳細を自ら進んで話すのは避けた方が無難です。
現在の職場に対する不満や比較と受け取られる可能性があり、周囲との関係性が悪化する原因になります。
転職先について尋ねられた場合は、「同業界の企業です」「新しい職種に挑戦します」など、簡潔に伝えるに留めましょう。
NG行動⑥ 社内データや顧客情報を無断で持ち出す

退職前に特に注意したいのが、社内情報の持ち出しです。
顧客リスト、営業資料、開発データなどを無断で私用PCやクラウドにコピーして持ち出す行為は、情報漏洩にあたります。
「自分が作成した資料だから」という理由であっても、業務中に作成した成果物は、一般的には会社の資産です。
重大な規律違反となり、損害賠償請求などの法的トラブルに発展する可能性があります。
NG行動⑦ 退職日が決まる前に周囲へ言いふらす
正式な調整が終わる前に、同僚へ先に退職を伝えてしまう人もいます。
しかし、上司や会社との調整前に話が広がると、職場が混乱することがあります。
また、管理職側からすると、「先に周囲へ話されてしまった」という印象を持たれることもあります。
まずは直属の上司へ相談し、正式に決まった後で周囲へ共有する流れが基本です。
NG行動⑧ 最終面談などで感情的に上司へぶつかる
退職時には、これまでの不満が一気に出てくることがあります。
しかし、感情的に不満をぶつけても、状況が良くなるケースは多くありません。
むしろ、退職までの空気が悪化し、必要なやり取りまで進めづらくなる可能性があります。
改善提案や事実ベースの相談は問題ありませんが、感情的な言動には注意が必要です。
NG行動⑨ 会社の貸与物やアカウント返却を後回しにする
PC、スマートフォン、社員証、鍵、制服など、会社から借りている物品は退職日(または最終出社日)までに必ず返却してください。
また、社内システムやビジネスチャットのアカウント削除・パスワード変更の手続きも必要です。
返却漏れがあると、退職後の手続きが滞る原因になります。 退職日直前に慌てないよう、事前に返却物を確認しておきましょう。
また、私物を会社へ置いたままにしないよう、早めに整理しておくことも大切です。
NG行動⑩ 次が決まっていないまま勢いで辞める
ハラスメントや過重労働で心身に危険が及んでいる場合は即時の退職も必要ですが、単なる一時的な感情の勢いで辞めるのはリスクがあります。
無職の期間が長引くと経済的な不安が生じ、焦りから転職活動で妥協してしまい、次の職場でもミスマッチが起きる可能性が高まります。
可能であれば、生活費や今後のキャリアをある程度整理した上で退職を進めることが望ましいでしょう。
トラブルを防ぐ!退職前にやっておくべき「4つの安全行動」

NG行動を回避すると同時に、以下の4つの行動を実践することで、よりスムーズに円満退職を進めることができます。
退職理由は「前向きな理由」をシンプルに伝える
本音が会社への不満であったとしても、退職理由は「新しい分野に挑戦したい」「今後のキャリアステップのため」など、前向きかつ客観的な理由に統一して伝えるのが無難です。
会社側も引き止めにくくなり、交渉がスムーズに進みやすくなります。
引継ぎ資料を早めに作る
退職直前にまとめて対応しようとすると、抜け漏れが発生しやすくなります。
担当業務や進行中案件は、早めに整理しておくと安心です。
後任者が確認しやすい形でまとめておくと、退職後の問い合わせも減らしやすくなります。
有休や退職日は早めに相談する
有休消化や最終出社日は、早めに相談することが重要です。
直前になってから調整を始めると、会社側も対応が難しくなる場合があります。
トラブルを避けるためにも、余裕を持って話し合いを進めましょう。
返却物と「受け取るべき重要書類」をリスト化する
退職時に会社へ返すものと、退職後に会社から受け取るべき書類(離職票や源泉徴収票など)をあらかじめ確認・リスト化しておきましょう。
転職先や失業給付の手続きで必要になるため、事前に確認しておくと安心です。
まとめ

退職前の行動は、その後のキャリアや人間関係へ影響することがあります。
感情的な行動や配慮不足によって、退職直前にトラブルへ発展してしまうケースも少なくありません。
一方で、最後まで誠実に対応できれば、円満退職につながりやすくなります。
「もう辞める会社だから」と考えるのではなく、社会人として最後まで冷静に行動することが大切です。
「とはいえ、やはり退職に関して不安がある…」そんなときは、一人で抱え込まずに、プロに相談してみませんか?
ここまで読んで「頭では分かるけれど、実際には難しそう」と感じた方もいるかもしれません。
そう感じるのは、とても自然なことです。
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