中途採用面接において、候補者の本音が分からないという悩みを抱える企業は少なくありません。
実際、早期離職や期待外れとなってしまった原因をたどると、面接時点で候補者の本音を十分に把握できていなかったケースは多くあります。
中途採用の候補者は、「評価される側」であることを強く意識しています。
そのため、無意識のうちに正解っぽい答えを選び、本音や違和感、不安を隠してしまいがちです。
一方、面接官側も「見極めなければ」という意識が強く、結果として表面的な質疑応答に終始してしまうことがあります。
本記事では、採用ミスマッチを防ぐために重要な中途採用面接で候補者の本音を引き出す質問テクニックについて解説します。
質問の考え方から、すぐに使える具体例まで紹介しますので、ぜひ日々の面接に活かしてみてください。
なぜ中途採用面接で候補者は本音を話さないのか?

テクニックを磨く前に、まずはなぜ本音が隠されるのかという構造を理解しましょう。
理由① 合否や評価を強く意識している
中途採用面接は、候補者にとってキャリアの分岐点です。
少しでも不利になりそうな発言(過去の失敗、人間関係の悩み、現職への不満など)は避け、無難で前向きな回答に寄せるのは自然な心理と言えます。
理由② 繰り返された模範解答の学習
これまでの転職活動や就職活動で、こう答えると評価されやすいという学習を重ねてきた候補者ほど、本音よりもビジネスシーンで適切とされる正解を優先して出力する癖がついています。
理由③ 面接官による見極め型のプレッシャー
「なぜ辞めたのですか?」「あなたの強みは?」といった直球すぎる質問は、時として詰問のように響きます。
面接官側が「見極めよう」と気負いすぎるあまり、候補者が身構えてしまう心理的安全性の低下が、本音を遠ざける最大の要因です。
本音を引き出すための土壌作り:心理的安全性と自己開示

質問の内容以上に重要なのが、「この人には本当のことを話しても大丈夫だ」と思わせる場作りです。
心理的安全性(Psychological Safety)の確保
面接の冒頭で、「今日は選考の場ではありますが、お互いの相性を確認する対等な場にしたいと考えています」と宣言するのは、有効な方法の一つです。
評価だけでなく、相互理解を目的としていることを伝えるだけで、候補者の緊張は緩和されます。
面接官による自己開示と返報性の原理
人間には、相手が心を開くと自分も開きたくなる返報性の原理があります。
例えば、自社の良い面ばかりでなく、「実は、うちのチームも今こういう課題を抱えていて、正直苦労しているんです」と面接官が弱みを見せることで、候補者も「実は私も……」と本音を話しやすくなります。
本音を浮き彫りにするフレームワークSTAR法

事実ベースで深掘りし、取り繕った回答を剥がしていくための強力な手法がSTAR法です。
| 要素 | 内容 | 本音を引き出すポイント |
| Situation(状況) | 当時、どのような状況だったか | 周囲の環境や制約を具体的に聞く |
| Task(課題) | 何が問題で、どんなミッションがあったか | その時、候補者がどう感じたかを添える |
| Action(行動) | 具体的にどのような行動をとったか | 「なぜその行動を選んだか」という意図を聞く |
| Result(結果) | どのような結果になり、何を学んだか | 成功だけでなく、失敗からの学びを聞く |
中途採用面接では、特に「Action(行動)」と「なぜその行動を選んだのか」を深掘りすることで、候補者の思考特性や価値観が明確になります。
「どう思いましたか?」という感想を聞く質問は、嘘をつきやすい質問です。
一方で、「その時、具体的にどう動きましたか?」という事実(Action)を問う質問は、一貫性が必要なため、本音が漏れやすくなります。
中途採用面接で候補者の本音を引き出す5つの質問テクニック【質問例付き】

テクニック① 転職理由をストーリーで聞く
質問例 「今回の転職を考え始めたきっかけから、現在に至るまでを時系列で教えていただけますか?」
この質問は、単なる退職理由ではなく、候補者の価値観や不満の背景を自然に引き出せます。
途中で「そのとき、どんな違和感がありましたか?」と深掘りするのも効果的です。
テクニック② 前職で一番しんどかった経験を聞く
質問例 「これまでの仕事人生で、精神的に一番タフだった時期はいつですか? その状況をどう乗り越えましたか?」
ストレス要因や、どのような環境が合わないのかを把握できます。
入社後の再現リスクを考える上でも重要な質問です。
テクニック③ 理想の上司を通してマネジメントの相性を見る
質問例: 「これまでで一番仕事がしやすかった上司と、逆にやりにくかった上司はどんなタイプでしたか?」
「人間関係に悩みはありますか?」と聞いても、大抵は「ありません」と返ってきます。
しかし、タイプを聞くことで、その人のコミュニケーションの癖や、組織文化への適合性が浮き彫りになります。
テクニック④ 評価に対する違和感を聞く
質問例 「これまでの評価で、少し納得できなかった経験があれば教えてください」
会社の評価制度や上司の判断に対し、どのような不満を持ちやすいかを確認します。
自社の評価基準と照らし合わせ、同じ不満を抱くリスクがないかを判断できます。
テクニック⑤ 入社後の懸念点をあえて聞く
質問例 「現時点で、当社に入社する場合に『ここが自分に合うか不安だ』と感じていることはありますか?」
この質問に即座に「ありません」と答える候補者は、まだ本音を出し切れていない可能性があります。
「正解はないので、率直な感想を教えてください」と促すことで、入社後のギャップを事前に埋めることができます。
本音を遠ざけてしまう面接官のNG行動

どれだけ質問を工夫しても、面接官の態度次第で本音は引き出せません。
詰問や否定:
候補者の回答に対し「それは甘いのでは?」「なぜそうしなかったの?」と否定から入ると、候補者は防御体制に入ります。
リアクションの欠如:
無表情でメモを取るだけでは、候補者は「今の回答は失敗だったか?」と不安になり、より安全な回答を選びます。
結論を急かしすぎる:
候補者が言葉を選んでいる沈黙を待てず、面接官が答えを誘導してしまうのは厳禁です。
まとめ|面接は選ぶ場ではなくすり合わせの場

中途採用面接の本質は、優秀な人材を選別することだけではありません。
企業と候補者が互いの本音をさらけ出し、「この環境で、この人は幸せに活躍できるか」を誠実にすり合わせる場でもあります。
今回紹介した質問テクニックは、候補者を追い詰めるためのものではなく、候補者自身も気づいていない本当のニーズを一緒に見つけるためのツールです。
また、中途採用面接で本音を引き出すために必要なのは、高度なテクニックよりも、候補者と向き合う姿勢です。
質問の設計を少し変えるだけで、面接の質は大きく変わります。
ぜひ次の面接から、今回紹介した質問の中から一つでも取り入れてみてください。
それが、採用の成功と長期的な活躍につながる第一歩になれば嬉しい限りです。
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