「未経験だけど転職できる可能性はありますか?」
キャリア相談をお受けする中で非常に頂くことの多い質問の一つです。
その中でも、未経験ゆえのお悩みとしてよく出てくるのが、
「未経験なので、自己PRで書けることがありません……どうすればいいでしょうか?」
というものです。
たしかに、その仕事の経験があればこそアピールするものがありますが、なければ一体なにをアピールすればいいのか迷ってしまうかと思います。
この記事では、未経験転職において数多くの成功も失敗もみてきた経験をもとに、未経験で応募する際の自己PRの書き方のコツをまとめました。
未経験で自己PRが難しいと感じる理由とは?

そもそもなぜ未経験で自己PRを書くのは難しいのか。
当たり前に聞こえるかと思いますが、経験がないからです。
しかし、ここは大きな思い込みが発生しやすいポイントです。
それは、
「経験がないと自己PRは書けない」
という思い込みです。
自己PRで必要なことは「経験のみ」ではありません。
自己PRで必要な要素は、大きく分けるとこの2つです。
「経験もしくは強み(書く材料) × 書き方(伝え方)」
その仕事での経験がゼロだと、書けることもゼロなわけではありません。
また、経験がないからこそ、書き方での工夫が合否を分けるカギとなります。
自己PRの基本構造を押さえよう

具体的な未経験転職の書き方を見る前に、効果的な自己PRの基本構造を押さえておきましょう。
よくある基本的な書き方は以下のような構成です。
結論(アピールポイント)
↓
裏付け(経験やエピソード)
↓
活かし方(採用する会社側のメリット)
例えば、以下のような書き方になります。
例)
【結論】
細かい作業が得意です。
↓
【裏付け】
前職では、1日約200個の部品点検をしておりました。担当者1名につき月平均2〜3件のエラーが発生していましたが、私は勤務した3年間でエラーをだしたことは1件もありませんでした。
↓
【活かし方】
今回応募した職種に関しても、常に細かい確認が求められる業務内容かと思いますので、この強みを活かすことができると考えております。
自己PRのよくある失敗例

失敗例1:最後まで読まないと何が強みか分からない自己PR
はじめに、何が強み(アピールポイント)かを書いておくことで、採用側も「なるほど、強みは〇〇なんだな。この後の内容は、この強みについての説明を書いてくれているんだな」と、自己PRの内容が頭に入りやすくなります。
これが書かれていないと、採用側は何が強みなんだと考えながら読むことになり、せっかく書いた自己PRが理解されづらくなる場合があります。
失敗例2:裏付けがない「自称強み」の自己PR
もしあなたが採用担当者で、応募者から、
「私はデザインが得意です。なので貴社に貢献できると思います。よろしくお願いします。」
とだけ言われたら、どう思うでしょうか?
きっと心の中で?
(ほ、本当…?)
と、思ってしまうはずです。
なぜなら、デザインが得意なことをイメージさせる裏付け(経験やエピソード)がないからです。
「私はデザインが得意です。デザイン部門で3年の勤務経験があり、デザインに関する▲▲賞の受賞経験もあります。なので貴社に貢献できると思います。よろしくお願いします。」
と言われたら、なるほどデザインが強そうだなとイメージしやすいです。
強みは、それを支えるエピソードと一緒に書くと効果的です。
失敗例3:その強みの活かし方が書いていない自己PR
活かし方というのは、端的にいうと
「もし採用したらその能力がどう会社に利益をもたらすのか」
ということです。
レストランの調理部門に応募する際に、「足が速いです」という強みをアピールしても、採用担当者としては「?」となってしまうかと思います。意外と、自己PRを見返してみると、そうなってしまっているケースがあるのです。
その強みは、転職先でどう活かすことができるのかまで具体的に書くのが大事です。
未経験でも伝わる!自己PRで使える2つの強みとは?

では、いよいよ未経験転職での自己PRの具体的なコツをみていきましょう。
未経験の場合、アピールできるポイントは大きく2つに分けて考えると、分かりやすいです。
①「ポータブルスキル」(例:コミュニケーション力、調整力)
②「熱意と学習姿勢」(例:独学や資格取得、勉強中の話)
この2つを意識すると、未経験でも効果的な自己PRを書きやすくなります。
①「ポータブルスキル」に関して
ポータブルスキルは直訳すると「持ち運びできるスキル」ですが、ざっくりいうと、
「会社や仕事内容が変わっても活用できるスキルのこと」
です。
※ちなみに、厚生労働省の定義だと、職種の専門性以外に、業種や職種が変わっても持ち運びができる職務遂行上のスキル」だそうです。
例えば、コミュニケーション力や課題解決能力、目標達成意欲などは、営業職だろうと技術職だろうと事務職だろうと、どんな職種でも役立つポータブルスキルの最たるものです。
未経験というのは、あくまで応募したい業界・職種が未経験なだけであって、その仕事におけるあらゆる全ての森羅万象が未経験というわけではありません。
どんな仕事にも、前職と転職先で必ず活かせる共通の要素があります。
その共通の要素を見つけ出し、自己PRに盛り込んでいきましょう。
②「熱意と学習姿勢」に関して
未経験転職だからって、本当になにもかも知らない状態で応募するのは基本的にNGです。
これは、逆の立場で考えると分かりやすいです。
あなたの会社に応募してきた人が
応募者:「未経験ですが、御社に入社したいです!」
あなた:「未経験とのことですが、今回応募されたお仕事に関して、いま勉強されていることなどはありますか?」
応募者:「いえ、まだ何も…。入社したら仕事しながら頑張って覚えていきたいと思います!」
と言われたらどうでしょうか。
応募先の業界や職種に関して、最低限の学習や自主的な行動は必須です。
例えば、未経験からクリエイター職に応募するのであれば、一部例外を除き、最低限、自分で実際に手を動かして制作した作品(ポートフォリオ)が必要です。
「未経験でもこの仕事に就くためにこんな努力をしています!」
という強い熱意を企業側に伝えるためにも、学習内容や自主的な取り組みについても具体的に記載するのが強くオススメです。
未経験転職で「これは避けたい!」NG行動3選

最後に、自己PRに限らず、未経験で転職活動をする際に、多くの方がうっかりやってしまいがちなNG行動を3つご紹介します。知っておくだけで、あなたの評価は大きく変わるはずです。
NG行動1:面接で「教育体制」について質問してしまう
本当に、とても、めちゃくちゃ多い失敗例です。
「御社の教育体制についてお聞かせください」
「未経験ですが、困ったときに周りに質問できる環境ですか?」
必ずしもこれを聞くことがNGという訳ではありませんし、未経験ならなおさら気になるのも非常に分かります。
しかし、未経験転職において、この質問はマイナスに働いてしまうことがとても多いです。
なぜなら、未経験者でも採用してみようかなという企業側の気持ちを、大きく減退させやすい質問だからです。
未経験を採る企業が重視しているのは…
積極的に未経験者を採用したいという企業でない限り、やはり未経験者よりは実務経験者を企業は採りたいもの。
そんな中で、未経験者を採る時に企業側が相手に期待する大前提は
「ガッツ」
です。
他の言葉で言えば、根性、やる気、モチベーションのようなものです。
令和の時代に根性と聞くと、うーんとなってしまう方もいるかと思います。
しかし、実際に私も転職支援業務をしている中で、企業側から
「うーん、未経験なのに教育体制をすごい気にされている感じがして、その姿勢だと入った後ちょっときついと思うんですよね…今回はお見送りで」
と言われたことは数多くあります。
【改善策】
未経験で技術が無いのであれば、その分
「どんな環境でも自分で学んで食らいついていくぞ!」
という気持ちを感じられないと、企業側としても未経験者を採用することに踏みとどまってしまいがちです。
入社後の意欲や、自ら学習していく姿勢をアピールするようにしましょう。
NG行動2:いきなり花形の仕事を希望してしまう
例えば、あなたが野球部だとします。
そこへまったくの野球未経験の人が
「入部希望です。ピッチャーか4番をさせてほしいです」
と言ってきたらどうでしょうか。
(志は良し!でもいきなりエースか4番は無理!)
と思ってしまうのではないでしょうか。
笑い話のようですが、これとほぼ同じ現象が未経験転職だと不思議とよく起こります。
【改善策】
希望している業界や仕事をよく調べ、その領域のなかでのステップアップの道筋を理解しましょう。
もちろん、将来的な希望として花形の仕事内容を希望していることを伝えることはまったく問題はありません。しかし、まずはそこに至る「一歩目の仕事から頑張る気持ちがある」ことをアピールし、着実なキャリアアップの意欲を見せることが重要です。
NG行動3:自分から「未経験」であることを強調してしまう
「未経験なのでうまくできるか分かりませんが~」
「未経験なのではじめは勉強が必要かと思いますが~」
謙虚なことは大事ですが、あまりに謙遜しすぎるのも考えものです。
未経験であることは企業側も分かっているので、必要以上に強調する必要はありません。
しかし実際に転職活動に臨むと、案外気づかぬうちに自分から未経験をアピールしてしまっていることがあります。
【改善策】
履歴書の自己PRでも、面接でも、「未経験」をアピールするのではなく、
「未経験だけど、なぜ私が御社に貢献できるのか(採用するべき理由)」
がアピールできているかどうかを常に確認し、自信を持ってあなたの可能性を伝えていきましょう。
まとめ:未経験だからこそ、あなたの「可能性」をアピールしよう!

最後に、今回の記事のポイントをまとめます。
・「結論(アピールポイント)→ 裏付け(経験やエピソード)→ 活かし方(採用する会社側のメリット)」という自己PRの基本構造をしっかりと守ること。
・そして、あなたの持つ「①ポータブルスキル」と「②熱意と学習姿勢」
という2つの要素を具体的に盛り込むことです。
未経験での転職は大変ですが、それを希望されているということは、それだけあなたを惹きつけるお仕事に出会えたということだと思います。
「この仕事がしたい!」「この会社で働きたい!」というあなたの強い気持ちは、何よりも大切な原動力となります。
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