採用活動において、書類選考は最初の関門です。
限られた時間の中で膨大な応募書類に目を通し、「会うべき人」と「見送る人」を瞬時に判断していく。
その責任の重さは、採用担当者であれば誰もが痛感していることでしょう。
しかし、後になって「あの時、見送った人の中に宝がいたかもしれない」と、ふと不安になることはないでしょうか。
実際、入社後に目覚ましい活躍を見せる人材のキャリアを紐解いてみると、必ずしも最初から“書類映え”する完璧な経歴ばかりではありません。
職歴に空白があったり、転職回数が多かったり、経験年数が少し足りなかったり。
それでも現場で評価され、組織にフィットしている人は確かに存在します。
本記事では、採用担当者が書類選考でつい見落としてしまいがちな「良い候補者のサイン」に焦点を当てます。
表面的な経歴の裏側に隠れたポテンシャルや再現性を、どのように見出すべきか。その視点を一緒に整理していきましょう。
書類選考を阻む「減点評価」の罠

書類選考では、多くの場合「要件に合っているかどうか」が判断軸になります。
募集要項に照らし合わせ、経験年数、業界経験、スキルセットなどを確認し、条件から外れる点があれば見送り。
効率性も求められる採用現場において、このプロセス自体は、決して間違いではありません。
ただし問題は、判断が無意識のうちに「減点方式」になってしまうことです。
・転職回数が多い → 定着しないのではないか
・空白期間がある → 何か問題があったのではないか
・経験が少し足りない → 即戦力にならないのではないか
こうした懸念は自然なものですが、応募数が多い状況では「不合格にする理由」を探す方向に思考が傾きやすくなります。
その結果、「この人は定着しないのではないか」「スキルが足りないのではないか」という仮説を裏付ける情報ばかりが目に飛び込み、本来評価すべき強みが見えなくなってしまうのです。
書類はあくまで情報の断片に過ぎません。
そこから見えるのは、候補者のキャリアの一部分に過ぎません。減点評価が強くなりすぎると、その断片だけで人物像全体を判断してしまう危険があります。
その断片から「何が欠けているか」を探すだけでなく、「何が可能性として秘められているか」を拾い上げる。
この視点の転換が、採用の質を劇的に変える第一歩となります。
見落としがちなサイン①|職務内容の「粒度」が具体的

一つ目のサインは、職務経歴の書き方に表れる「具体性」です。
たとえば、目立った実績や華やかな数字がなくても、業務内容が驚くほど具体的に書かれている書類があります。
(例)「営業を担当し、売上目標を達成」
(良サイン)「〇〇業界の中小企業を対象に、新規開拓から受注後のアフターフォローまで一気通貫で担当。初回商談時には、顧客の課題を可視化するための独自ヒアリングシートを作成・運用」
このような記載からは、成果の大小以上に、仕事をどのように理解し、どんな役割を担っていたかが伝わってきます。
業務を分解して捉えられている人は、環境が変わっても再現性を発揮しやすい傾向があります。
採用担当者としては、「実績が弱い=能力が低い」と即座に判断せず、その人が「仕事をどう捉え、どう説明しているか」の解像度に注目してみてください。
見落としがちなサイン②|異動や役割変更の多さ

異動が多い、担当業務が頻繁に変わっている。
こうした経歴は、書類選考ではマイナスに捉えられがちです。一貫性がなく、専門性が育っていないのではないか、と感じる採用担当者も少なくありません。
しかし実際には、異動や役割変更の背景はさまざまです。
組織再編や人手不足への対応、信頼されて難しいポジションを任されてきた結果というケースもあります。
注目したいのは、「その変化の中で何を経験し、何を学んだか」が書かれているかどうかです。
異なる部署や役割で得た視点やスキルを、自分の言葉で整理できている人は、環境変化への適応力が高い可能性があります。
変化が常態化している現代の組織において、適応力や柔軟性は重要な資質です。
一直線のキャリアだけが正解ではない、という前提を持つことで、見える候補者像は大きく変わります。
見落としがちなサイン③|志望動機が「会社」ではなく「仕事」に向いている

志望動機の評価も、書類選考で判断が分かれやすいポイントです。
「熱量が感じられない」「当社への思いが浅い」といった理由で見送られるケースもあるでしょう。
ただし、会社そのものへの強い憧れや共感を前面に出すタイプの志望動機だけが、良いとは限りません。
仕事内容や役割への関心が具体的に書かれている人は、入社後のミスマッチが起きにくい傾向があります。
(例)「貴社の企業理念に深く共感し……」という定型句
(良サイン)「このポジションで、自分の〇〇というスキルを、貴社の〇〇という課題にどう活かせるか」という具体的な接続
後者のような記述ができる人は自分の実力と現場のニーズを冷静に分析できています。
過去の経験と募集ポジションをどう結びつけているか、どんな業務に面白さを感じているか。
そうした視点で志望動機を読むと、表面的な熱量とは別の「仕事への向き合い方」が見えてきます。
カルチャーフィットとは、テンションの高さや言葉の上手さだけで測れるものではありません。
仕事そのものへの理解と関心も、重要な判断材料です。
書類選考は「正解探し」ではなく「仮説づくり」|面接につなげるための視点

書類選考の段階で、その人のすべてを見抜こうとする必要はありません。
むしろ重要なのは、書類から得た小さな気づきをもとに、「面接で確かめたい仮説」を立てることです。
職務内容の具体性から再現性を感じた、異動の多さから適応力を感じた。そうした小さな気づきをもとに、「面接でここを聞いてみたい」という視点を持てるかどうかが、採用の質を左右します。
例)
「粒度」が細かい人へ: 「この業務を細分化して捉えるようになったきっかけはありますか?」
「異動」が多い人へ: 「新しい環境に適応する際、ご自身の中で大切にしているコツはありますか?」
書類は合否を断定するためだけのものではなく、対話を始めるための「予習」の資料です。
良いサインを見つけたら、それを確かめにいく。その姿勢が、結果的にミスマッチの少ない採用につながります。
おわりに|候補者を「信じる視点」を持つということ

良い候補者ほど、実は書類作成が不器用であることも少なくありません。
現場で汗を流し、実力を磨くことに集中してきた人は、必ずしも「書類映え」させる術に長けているわけではないからです。
採用担当者に求められるのは、完璧な人材を選び抜く目というよりも、伸びる可能性を拾い上げる目なのかもしれません。
少し立ち止まって書類を眺め直すだけで、これまで見えていなかった景色が見えてくることがあります。
その先に、思いがけない良い出会いが待っているかもしれません。
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