「あぁ、またか……」
メールボックスに届いた「お見送り」の通知。
丁寧に準備したはずの履歴書と職務経歴書が、またしても選考を通過しなかった。
そんなとき、自分のこれまでのキャリアや人格までもが否定されたような、やり場のない気持ちになることもあるかもしれません。
「誤字脱字はないはずなのに」 「職務経歴書も、ネットのテンプレートを参考にしてきちんと書いたのに」
それでも、書類が通らない。
キャリア相談をしていると、こうした声を本当によく聞きます。
すると多くの人が、次にこう考えます。
「やっぱり、自分には華々しい実績がないからだろうか」
「もっと人を惹きつけるような、高い文章力が足りないんだろうか」
しかし、数多くのキャリア相談に乗り、採用の現場を間近で見ていると、実は少し違う景色が見えてきます。
書類通過率が低い原因のほとんどは、実績の有無でも、文章の上手・下手でもありません。
では、一体何が足りていないのか。 それは「採用する側の視点」です。
今日は、書類作成でつまずきやすい人に共通するポイントを、少し立ち止まって一緒に眺めてみたいと思います。
結論|足りていないのは「採用側の視点」

結論から言うと、書類通過率が低い人に共通しているのは、「自分のキャリアを、採用側の目線で説明できていないこと」です。
多くの場合、人事担当者や現場のマネージャーは、1通の書類を何十分もかけて読み込んでいるわけではありません。
担当者や企業にもよりますが、最初のスクリーニングでは、数十秒程度で判断されるケースも珍しくないです。
担当者は、限られた時間の中で、こう考えています。
・「この人は、自社の課題を解決してくれそうか?」
・「うちのチームに加わったとき、活躍している姿がイメージできるか?」
つまり、書類で評価されているのは「文章の美しさ」ではなく、「その書類から、自社で働く姿がいかに鮮明に想像できるか」という一点なのです。
なぜ「文章は悪くないのに落ちる」のか

書類が通らない人の多くは、実はとても真面目に、誠実に書いています。
だからこそ、無意識のうちに「自分側の視点」に終始してしまい、次のようなパターンに陥りがちです。
具体的な書き換え例(Before/After)と一緒に見ていきましょう。
ケース①:頑張った「過程」が丁寧すぎる
努力や工夫が細かく書かれている一方で、「結果として何ができる人なのか」が見えにくいケースです。
Before(自分視点):
「顧客満足度を向上させるため、毎日欠かさず100件のテレアポを行い、お客様一人ひとりの悩みを丁寧にヒアリングすることを心がけました。その結果、多くのお客様から感謝の言葉をいただきました。」
After(採用側視点):
「1日100件の架電から顧客の共通課題を抽出。独自の提案資料を作成し、アプローチを標準化した結果、チームの成約率を前年比5%向上させました。」
ポイント:
採用側は「頑張り」を知りたいのではなく、その頑張りが「どんな成果(再現性)を生むのか」を知りたいのです。
ケース②:経歴の事実は正しいが、意味づけがない
「〇年〜〇年、〇〇を担当」と事実は並んでいるものの、それが応募先にとってどう役立つのかが書かれていないケースです。
Before(自分視点):
「2021年よりプロジェクトリーダーとして、5名のメンバーのマネジメントを担当しました。」
After(採用側視点):
「5名のチームにおいて、離職率の高さという課題に対し、月1回の個別面談を週1回のカジュアル面談へ変更。メンバーの早期課題解決を図り、1年間離職ゼロと目標達成率120%を維持しました。」
ポイント:
単なる「役割」の紹介で終わらせず、その経験が「どんな課題を解決する武器になるのか」という意味づけを添えましょう。
ケース③:視点が完全に「自分側」
「成長できました」「やりがいを感じました」
気持ちは伝わるけれど、会社側のメリットが見えてこないケースです。
どれも、文章が下手なわけではありません。
ただ、視点の向きが「自分」から動いていないだけなのです。
Before(自分視点):
「前職では大規模なシステム開発に携わり、エンジニアとして大きく成長することができました。貴社でもさらに学びを深めたいと考えています。」
After(採用側視点):
「大規模システム開発で培った『不測の事態におけるリスク管理能力』と『他部署との調整力』を活かし、貴社の新規事業立ち上げにおいて、スピード感のある開発体制構築に貢献したいと考えています。」
ポイント:
「自分がどうなりたいか」よりも、「自分の持っているものが、相手の会社にどう貢献できるか」へ主語を切り替えてみてください。
採用側は書類で何を見ているのか

では、採用側は書類のどこを見ているのでしょうか。
大きく分けると、次の3点です。
ポイント①:再現性(うちでも同じように活躍できそうか)
これが最も重要です。
たまたま運が良くて成果が出たのではなく、その人が「自社に来ても、同じようなプロセスで成果を出せる根拠」があるかどうかを見ています。
成功体験を書くときは、「なぜ成功したのか(工夫した点)」をセットで書くことが不可欠です。
ポイント②: 貢献イメージ(入社後、どこに配置できそうか)
「何でもやります」は、実は採用側を困らせてしまいます。
それよりも「私はこの分野で、こういう役割で力になれます」と示されている方が、現場のマネージャーは「あ、彼ならあのプロジェクトを任せられそうだ」と具体的にイメージできるのです。
ポイント③: コミュニケーションコスト(スムーズに働けそうか)
意外と見落とされがちなのが、書類の「読みやすさ」です。
・適切な改行があるか
・箇条書きが活用されているか
・専門用語が、異業種の人間にもわかる言葉に翻訳されているか
これらが整っているだけで、「この人は相手の立場に立って物事を伝えられる、コミュニケーションコストの低い人だ」という評価に繋がります。
書類通過率を上げるための「3つのアクション」

では、何を意識すれば書類は変わるのでしょうか。
文章力を磨く前に、まずは「視点」を切り替えるための3つのアクションを試してみてください。
アクション①:求人票を「お悩み相談リスト」として読み直す
求人票の「求める人物像」や「仕事内容」には、その会社が今抱えている「困りごと」が隠されています。
「〇〇の経験がある人」という記述は、「今〇〇が足りなくて困っています」というサインです。
自分の経験を、その困りごとに対する「解決策(ソリューション)」として提示してみてください。
アクション②:成果を「相手の言語」に翻訳する
同じ職種でも、業界が変われば用語も変わります。
例えば、営業職の人が企画職に応募するなら、「売上を上げた」という言葉を「市場のニーズを汲み取り、施策に反映させた」と書き換える。
相手が使っている言葉を使い、相手の立場にたってコミュニケーションができることを伝えましょう。
アクション③:完璧に説明しようとしない(あえて「余白」を残す)
書類のゴールは「内定」ではなく、あくまで「会ってみたい(面接)」と思ってもらうことです。
すべてを完璧に、重厚に書きすぎる必要はありません。
重要なポイントを絞り、「もっと詳しく聞いてみたい」と思わせるような、整理された構成を目指しましょう
キャリアを一歩引いて眺めてみる

キャリアは、自分の人生を振り返るための文章ではありません。
これから誰かと一緒に働くための、地図のようなものです。
もし今、書類が通らずに立ち止まっているのなら、少しだけ自分の経験から距離を取ってみてください。
そして、客観的な視点で自分に問いかけてみてください。
「この経験は、あそこの会社の人たちにとって、どんな助けになるだろう?」
そんな問いを立てるだけで、書類から見える景色はガラリと変わってきます。
まとめ|文章を直す前に、視点を変えよう

書類通過率が低い原因を、「自分は文章が苦手だから」と決めつける必要はありません。
多くの場合、足りていないのは文章力ではなく、視点です。
採用側の目線に一歩寄るだけで、書く内容は自然と変わっていきます。
もし今、書類で立ち止まっているなら、文章を直す前に、まず視点を変えるところから始めてみてください。
一歩ずつ、あなたの歩んできた素敵なキャリアを、次の場所へ届く言葉に変換していきましょう。
そのプロセス自体が、きっと次のステップでも大きな自信になるはずです。
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