退職理由と志望動機をつなげる“ストーリー構築”の考え方

転職

転職活動で多くの人がつまずくポイントのひとつが、「退職理由」と「志望動機」を別々に考えてしまうことです。

「ネガティブな退職理由をどう伝えたらいいのか…」
「志望動機と矛盾していないか不安…」

「前の会社を辞めた理由」と「次の会社を選んだ理由」は、どちらもキャリアの大切な意思決定ですが、つながりを意識せずに語ると、採用担当には一貫性のない印象を与えてしまいます。

一方で、退職理由と志望動機が一本のストーリーとしてつながっている人は、採用担当にとって「この人は自分のキャリアをしっかり考えている」と感じられる存在になります。

つまり、転職理由を語ることは「過去の説明」ではなく、「未来への動機づけ」でもあるのです。

この記事では、退職理由と志望動機を自然につなげ、説得力ある“キャリアストーリー”に仕立てる考え方を紹介します。

採用担当が見ているポイント

採用担当が知りたいのは、「なぜ辞めたのか」という事実ではありません。

彼らが注目しているのは、「その経験を通じて何を学び、どんな考えを持つようになったのか」という“考え方の筋道”です。

よくあるNG例としては、次のようなものがあります。

NG例① 「上司と合わなかったので辞めました」
→ 感情的に聞こえ、再現性のある成長ストーリーが見えません。
NG例② 「スキルアップのために転職を決意しました」
→ 抽象的すぎて、具体的な目的や方向性が伝わりません。

反対に、採用担当が納得しやすいのは、次のような語り方です。

「前職ではルート営業だったため既に関係値ができている既存顧客とのやりとりがメインでしたが、新規顧客の開拓にチャレンジしたいと思い、転職を考えました。」

このように語れる人は、「課題を認識し、自分のキャリアを主体的に選んでいる」と受け止められます。

採用側が見ているのは、“理由”そのものよりも、“考え方の一貫性”なのです。

ストーリー構築の3ステップ

退職理由と志望動機を自然につなげるには、次の3つのステップで整理してみましょう。

ステップ①:退職理由を「課題発見」として整理する

退職理由をネガティブに語るのではなく、「自分は何に課題を感じ、どう変わりたいと思ったのか」を中心に据えましょう。

たとえば「上司と合わなかった」ではなく、

「これまでの仕事を通じて、自分のアイデアを形にする力をもっと高めたいと感じるようになりました。現職では個々の役割が明確に分かれていたため、新しい提案を実行までつなげる機会が限られており、次の環境ではその経験を広げたいと考えています。」

とすれば、批判ではなく気づきとして語ることができます。

採用担当は、課題意識を持ち行動できる人に信頼を感じます。

ステップ②:志望動機を「その課題を解決する選択」として語る

退職理由の延長線上に志望動機を置くと、ストーリーが自然に流れます。

つまり、前職で見つけた課題を「次の職場でどう乗り越えたいか」を伝えることです。

「自ら考えたアイデアをチームと連携しながら形にしていく力を伸ばしたいと思い、プロジェクト単位で裁量を持てる貴社の体制に惹かれました。前職で培った分析力を活かし、より成果につながる提案を実現していきたいと考えています。」

このように語ると、「退職→志望」の動きが“逃避”ではなく“挑戦”として映ります。

ステップ③:「過去→現在→未来」の流れで一本の線を描く

最後に、これまでの経験(過去)→退職の決断(現在)→志望先での実現(未来)という時間軸で整理してみましょう。

たとえば:

営業として顧客対応を重ねる中で、仕組み改善の重要性に気づいた(過去)
 ↓
現職では体制上その改善に踏み込めないと感じたため(現在)
 ↓
より上流から顧客体験を設計できる御社の環境に惹かれた(未来)

このように語れば、ひとつのキャリアストーリーとして自然に伝わります。

ケース別・ストーリー例

ここでは、よくある転職理由のタイプ別に、ストーリーの組み立て方を見てみましょう。

例1:環境改善型(職場の文化や働き方に課題を感じた)

退職理由(課題)
「上司の承認が必要な業務が多く、スピード感を持って進められない点に課題を感じた」

志望動機(解決)
「チーム全体で意思決定を進め、提案が形にしやすい貴社の文化に魅力を感じた」

このように、“課題→求める環境”をセットで語ると、前向きな印象になります。

例2:成長志向型(スキル・キャリアアップを求めた)

退職理由(課題)
「業務範囲が限られており、専門性を深める機会が少なかった」

志望動機(解決)
「貴社の◯◯事業ではより高度な案件に携われるため、自身のスキルを活かしつつ成長できると考えています」

“成長したい”という抽象的な言葉だけでなく、「どんなスキルを、どんな環境で磨きたいか」を具体的に示すのがポイントです。

例3:価値観転換型(仕事の方向性を見直した)

退職理由(課題)
「数字目標を最優先する営業スタイルに違和感を持ち、顧客満足を重視する働き方を求めた」

志望動機(解決)
「貴社の“顧客本位”の理念に共感し、長期的な信頼関係を築く営業に挑戦したいと考えています」

価値観の転換を語るときは、「何を大事にしたいと思うようになったか」を明確にすることで、誠実で納得感のあるストーリーになります。

まとめ:ストーリーを描ける人は、信頼される

退職理由と志望動機をつなげて語れる人は、自分のキャリアを“点”ではなく“線”で捉えられている人です。

採用担当にとって、それは「長く活躍してくれそう」「環境が変わっても自走できそう」という安心感につながります。

一方で、退職理由と志望動機がバラバラだと、「どこに向かっているのか分からない」と見られてしまうことも。

だからこそ、「退職理由=過去の課題発見」「志望動機=未来への挑戦」と位置づけて、ひとつの物語として語ることが大切です。

転職は“リスタート”ではなく、“キャリアの続き”です。

今日ご紹介した3ステップを参考に、これまでの経験、感じた課題、これから挑戦したい未来をつなげて、自分だけのストーリーを描いていきましょう。

それが、面接で最も伝わる「あなたらしさ」になるはずです。

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