「職務経歴書を丁寧に書いているのに、なぜか文章が長くなってしまう」
「自分の経験をきちんと伝えようとすると、説明ばかり増えてしまう」
「どこを削ればいいのか分からない」
転職活動で職務経歴書を作成していると、このような悩みを感じる方は少なくありません。
自分の経験を採用担当者に理解してもらおうと「できるだけ詳しく書く」のは自然なことです。しかし、情報を詳しく説明することと、経験が分かりやすく伝わることは別問題です。背景や手順を説明しすぎると、本当にアピールしたい実績や強みが埋もれてしまいます。
本記事では、職務経歴書で起こりやすい「説明しすぎ」のパターンと、文章を簡潔で伝わりやすい内容に変える具体的な削り方・整理術を解説します。
職務経歴書の「説明しすぎ」とは?

職務経歴書の説明しすぎとは、単純に文章が長い状態を指すわけではありません。
採用担当者が知りたい情報よりも、業務の経緯や手順などの説明に文字数を費やしている状態を指します。
例えば、営業職の経験を以下のように書いたとします。
【NG例】
入社後は営業部に配属され、主に法人のお客様を担当しました。お客様との関係を大切にしながら、日々電話やメールで連絡を取り、ニーズを確認した上で商品の提案を行ってきました。また、既存のお客様だけでなく、新規のお客様へのアプローチも積極的に行いました。
担当業務は伝わりますが、「どのような成果を出したのか」「どんな工夫をしたのか」が見えてきません。
一方で、以下のように整理するとどうでしょうか。
【OK例】
法人顧客50社を担当。新規開拓から既存提案まで一貫して担当し、年間売上目標120%を達成。
短文でありながら、具体的な役割と成果が一目で把握できます。職務経歴書では、細かく説明するよりも「必要な情報を整理して要約する」ことが重要です。
「説明しすぎ」になりやすい4つのパターン

職務経歴書が冗長になる原因は、主に次の4つのパターンに分類できます。
パターン① 業務の背景を丁寧に説明しすぎる
業務改善やプロジェクト経験を書く際、「なぜその仕事を担当することになったのか」という経緯から細かく書いてしまうケースです。
NG:
当時、部署内で〇〇という課題があり、上司から対応を指示されました。まず現状を把握するため関係部署へヒアリングを行い……
改善案:
部署内の業務効率化のため、業務フローの再構築を担当。
背景そのものが特別な評価対象でない限り、状況説明は1文程度に抑え、「何をしたか」「どのような成果が出たか」に文字数を使いましょう。
パターン② 当たり前の業務プロセスを細かく書く
仕事の手順を最初から最後まで説明することも、文章が長くなる原因です。
NG:
電話でアポを取得して顧客を訪問し、ヒアリング内容をもとに提案書を作成。社内承認を得て提案し、見積書を作成して契約までフォローしました。
改善案:
法人顧客の新規開拓から提案、契約後のフォローまで一貫して担当。顧客課題に応じたカスタム提案により、新規顧客を年間20社獲得。
採用担当者にとって重要なのは、一般的な業務プロセスを細かく説明することだけではありません。自分がどのような役割を担い、どんな工夫や成果につなげたのかまで伝えることが重要です。
共通の作業は簡潔にまとめ、差別化できるポイントを強調しましょう。
パターン③ 「〜しました」を連続して使っている
文章を一つひとつ丁寧に書こうとすると、「〜しました」という表現が連続することがあります。
NG: 顧客対応をしました。提案資料を作成しました。社内調整をしました。
改善案: 顧客対応から資料作成、社内調整まで一貫して担当。
同系統の業務は1文に集約することで、すっきりとした読みやすい文章になります
パターン④ 「頑張ったこと」を長く説明している
「仕事への姿勢」を丁寧に書きすぎるケースです。
NG:
常に相手の立場に立つことを意識し、丁寧なヒアリングを心掛けました。ご相談を受けた際はまず話をしっかり聞き、求めているものを考えてから提案していました。
改善案:
顧客への徹底したヒアリングにより顧客自身も把握しきれていなかった課題を抽出。ニーズに合わせた提案を行い、契約更新率95%を維持。
「意識したこと」は、具体的にどう行動し、どう成果につながったか(行動+成果)に置き換えることで説得力が増します。
説明を「要点」に変える4つの改善方法

では、説明が長くなってしまった職務経歴書を、どのように修正すればよいのでしょうか。ここでは4つのテクニックを紹介します。
方法① 作業ではなく「役割(ミッション)」でまとめる
修正前: 電話をかけたり、訪問したり、商品の提案をしたりしていました。
修正後: 法人顧客50社を担当し、新規開拓から既存フォローまで一貫して担当。
箇条書きレベルの細かな作業を並べるのではなく、どのような「役割」を任されていたかで表現します。
方法② 自分ならではの工夫を1文でまとめる
修正前:
お客様ごとにニーズが異なるため、まず話を聞くことを大切にしました。何に困っているのかを確認し、課題に合わせて提案内容を考えました。
修正後:
丁寧なヒアリングで顧客課題を可視化し、ニーズに応じたカスタマイズ提案を実施。
経緯を長々書くのではなく、「思考+行動」を一文に凝縮します。
方法③ 「行動+成果」のセットで書く
修正前: 新規顧客へのアプローチ方法を見直し、営業活動を強化しました。
修正後: 新規アプローチ手法の改善により、月間商談数を30件から45件へ拡大((50%増)。
「頑張ったこと」で終わらせず、どのような成果につながったのかを、可能であれば数字も交えて記載します。
方法④ 情報の単位で文章を区切る
一文に複数の情報を詰め込みすぎるのも、読みづらさにつながります。
修正前:
法人営業として50社を担当し、新規開拓と既存提案を行い、課題をヒアリングした上で提案内容を変更するなどの工夫を行った結果、年間売上120%を達成しました。
修正後:
・法人顧客50社に対する新規開拓および既存提案を担当
・顧客課題に応じた提案内容の最適化により、年間売上目標120%を達成
箇条書きや適切な読点・改行を使って情報を整理することで、それぞれの情報が把握しやすくなります。
文章を短くするだけでなく、「一つの文に何を入れるか」を整理することも重要です。
【実践】説明しすぎな文章を3ステップで改善する

ここからは、実際の文章を使って、3つのステップで改善していくプロセスを見ていきましょう。
【元の文章】
私は営業職として、お客様との信頼関係を大切にしながら仕事をしてきました。お客様から相談を受けた際には、まずお客様の話をしっかり聞くことを心掛け、その上でお客様が何を求めているのかを考え、最適な商品をご提案するようにしていました。また、契約後も定期的に連絡を取ることで、お客様との関係を維持するよう努めました。
STEP1:不要な説明を削る
まず、「信頼関係」「話をしっかり聞く」など、意味が重複している部分を整理します。
営業職として顧客との信頼関係構築を重視し、ニーズに合わせた提案とアフターフォローを行ってきました。
STEP2:具体的な行動に変える
抽象的な意識表現を、客観的な行動に変換します。
顧客への丁寧なヒアリングで課題を抽出し、ニーズに応じた提案および定期的なアフターフォローを実施。
STEP3:成果(数字)を加える
最後に、客観的な評価材料となる実績データを追加します。
【完成形】
顧客への丁寧なヒアリングで課題を抽出し、ニーズに応じた提案を実施。定期的なフォロー体制を構築し、契約更新率95%維持および年間売上目標120%を達成。
このように、
説明 → 具体的な行動 → 成果
という順番で整理すると、文章量を抑えながら経験を伝えやすくなります。
削るときに注意!「残すべき重要情報」とは

文章を短く整理する際、何でも削ればよいわけではありません。説明(冗長な文章)を削るのと、情報(アピール材料)を削ることは違います。
以下の情報は、採用担当者が応募者の能力を測る重要な評価材料となるため、基本的には残しましょう。
・応募先の業務に関連する経験・スキル
・定量的な実績データ(売上、達成率、効率化の割合など)
・課題解決のために「自分が行った工夫」
・マネジメントやメンバー指導の経験
・専門知識や保有資格、ツール使用経験
削るかどうかの判断基準は文字数の増減ではなく、「採用担当者が選考判断を下すために必要な情報か」です。
職務経歴書の「説明しすぎ」チェックリスト7選

完成した職務経歴書を見直す際は、以下の7つのポイントをチェックしてみてください。
1. [ ] 「〜しました」という文末が連続していないか
2. [ ] 当たり前の業務プロセスを最初から最後まで書いていないか
3. [ ] 「意識しました」「心掛けました」という精神論が多くないか
4. [ ] 成果よりも業務の手順説明に文字数を使っていないか
5. [ ] 「そのため」「また」「そして」などの接続詞が多用されていないか
6. [ ] 数値で表現できる実績を定性的な文章だけで説明していないか
7. [ ] 「結局、この人は何ができてどんな成果を出したのか」が一読で伝わるか
特に7つ目の視点が重要です。読み返してみてパッと強みが浮かばない場合は、文章を1文ずつ削る前に「この職務経験で、採用担当者に何を理解してもらいたいのか?」を再定義してみましょう。
まとめ

職務経歴書において、丁寧で詳細な説明が必ずしも「伝わりやすさ」につながるわけではありません。むしろ背景や手順を書きすぎると、一番見てほしい実績や強みが埋もれてしまいます。
- 業務内容を作業ではなく「役割」でまとめる
- 抽象的な意識ではなく「具体的な行動」で示す
- 行動と「成果(数値)」をセットで記載する
「丁寧に書いているのに、うまく伝わっていない気がする」「まとまりがない」と感じたら、文字数をただ減らすのではなく、「説明を削り、要点(行動と成果)に置き換える」視点で推敲してみましょう。
必要な情報を残しながら説明を簡潔にすることで、読みやすく、経験や強みが伝わりやすい職務経歴書に近づけることができます。
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