「職務経歴書に書けるような実績がありません…」
転職活動を始めると、このような悩みを抱える方は少なくありません。
特に事務職やバックオフィス、接客・販売職など、売上や件数のような分かりやすい数字が出にくい仕事では、「自分にはアピールできる実績がない」と感じてしまう人が多い傾向があります。
しかし、これまで1,000名以上の応募書類を見てきた中で感じるのは、「本当に実績がない人」はほとんどいないということです。
実際には、実績がないのではなく、「実績として認識できていない」「職務経歴書に書くべき内容だと思っていない」ケースがほとんどです。
その結果、本来であれば評価される経験まで書かずに終わってしまい、自分で評価を下げる職務経歴書になってしまうことがあります。
今回は、「実績がない」と感じている人ほど職務経歴書で損をしてしまう理由と、採用担当者が実際に見ているポイントについて解説します。
職務経歴書に書く実績がないと思ってしまう3つの理由

多くの人が「自分には書けることがない」と悩んでしまう背景には、主に3つの誤解があります。
理由① 成果=表彰や売上だと思い込んでいる
「実績」と聞くと、多くの人は次のようなものをイメージします。
・営業成績で全国トップになった
・年間MVPを受賞した
・売上を大幅に伸ばした
・大きなプロジェクトを成功させた
もちろん、このような成果は分かりやすい立派な実績です。
しかし、実際の採用では、このような経験を持つ人ばかりではありません。
企業が知りたいのは、「どのように仕事へ取り組み、その経験を次の職場でも再現できるか」という点です。
派手な実績だけを基準にしてしまうと、多くの人が「自分には何もない」と感じてしまいます。
理由② 毎日やっている仕事ほど価値に気付きにくい
人間は、自分が慣れている仕事ほど「当たり前のこと」として処理してしまいます。
・毎日問い合わせ対応を行っている
・複数部署との調整を担当している
・新人から質問を受けることが多い
・期限に遅れることなく業務を進めている
このようなことも、本人にとっては日常業務かもしれません。
しかし、採用担当者から見れば、「継続して任されている=周囲から信頼されている証拠」であり、立派な評価材料になります。
自分にとって当たり前だからといって、価値がないわけではありません。
理由③ 「チームの成果」だから自分の実績ではないと思っている
「プロジェクトは成功したけれど、自分一人の成果ではないので書けません。」
このようなご相談もよくあります。
確かに、仕事はチームで進めることが多く、自分だけの成果と言い切れない場面もあるでしょう。
しかし、採用担当者は「あなたが1人で全部やったのか」を知りたいわけではありません。
知りたいのは、
・その中でどのような役割を担っていたのか
・何を任されていたのか
・どのような貢献をしたのか
という点です。
チームで成果を出した経験であっても、自分の役割を整理して伝えれば十分に評価対象になります。
採用担当者は職務経歴書の「実績の大きさ」だけを見ていない

そもそも、採用担当者は職務経歴書で実績の「数字の派手さ」だけを比較しているわけではありません。
本当に重視しているのは、次のような点です。
・どのような業務を任されていたか
・どの程度の責任を持って仕事をしていたか
・周囲とどのように関わっていたか
・自社に入社した後も同じように活躍できそうか
つまり、企業が知りたいのは、過去の自慢話ではなく、「入社後にも活躍できる人かどうか」です。
例えば、「後輩指導を担当していた」という経験があれば、教育やコミュニケーション能力があると判断できるかもしれません。
「複数部署との調整を担当していた」という経験であれば、調整力や関係構築力が期待できます。
このように、一つひとつの経験から、その人の仕事の進め方や強みを読み取っているのです。
実績がないと思う人ほど職務経歴書で損をする3つの行動

無意識のうちに、自分で自分の評価を下げてしまう代表的な行動を3つ紹介します。
NG行動① 自分で評価を下げる表現を書いてしまう
職務経歴書の中で、
・「特に目立った実績はありません」
・「一般的な事務作業のみ担当しました」
・「あくまで補助業務を行っていました」
このような書き方を見かけることがあります。
本人は謙虚に書いたつもりでも、これでは採用担当者も評価のしようがありません。「アピールできる経験がない人」というネガティブな印象だけが残ってしまいます。
過小評価せず、事実だけを整理して書くだけでも、印象は大きく変わります。
NG行動② 書けるはずの経験を「当たり前」と判断して削ってしまう
「これは当たり前の仕事だから書かなくてもいい。」
そう考えてしまう人は少なくありません。
しかし、
・新人教育
・業務改善
・マニュアル作成
・クレーム対応
・部署間の調整
などは、多くの企業が評価する経験です。
自分では特別だと思っていなくても、応募先では歓迎される経験かもしれません。
職務経歴書は、できるだけ多くの情報を書けば良いわけではありませんが、「書く価値がある経験まで削ってしまうこと」は避けたいところです。
NG行動③ 応募企業との共通点を意識していない
実績があるかどうかよりも重要なのが、「応募先で活かせる経験かどうか」です。
例えば、営業事務へ応募するのであれば、
・スケジュール管理
・社内外との調整
・資料作成
・電話・メール対応
などの経験は十分なアピールポイントになります。
応募企業が求めている経験に合わせて、自分の仕事内容を整理することが大切です。
実績は「ある・ない」ではなく「切り取り方(書き方)」で決まる

同じ経験でも、書き方によって伝わる印象は変わります。
| NGな書き方(事実のみ) | OKな書き方(プロセスと詳細を明記) |
| 電話対応を担当。 | 1日平均50件程度の問い合わせ対応を担当。内容に応じて複数部署と連携しながら、迅速かつ正確な対応を徹底した。 |
| 書類作成を担当。 | 契約書や請求書の作成を担当し、営業担当や経理部門と連携しながら納期遅延なく対応した。 |
ここで重要なのは、実績を大きく見せることではありません。
「どのような仕事を、どのような役割で、どのような工夫をしながら担当していたのか」を具体的に伝えることです。
採用担当者が知りたいのは、その人が仕事をする姿をイメージできる情報です。
今日からできる、書くネタが見つかる「実績の棚卸し」3つの質問

「それでもやっぱり書くことが思い浮かばない……」という方は、ぜひ次の3つの質問を自分に投げかけてみてください。
質問① 周囲からよく頼まれていた仕事は何か
仕事を頼まれるということは、その業務を任せられるだけの信頼があったということです。
「いつも自分が担当していた仕事」を思い出してみましょう。
質問② 自分が休むと困る仕事は何か
普段は意識していなくても、自分しか対応方法を知らない業務や、自分が担当していたから円滑に進んでいた仕事は意外とあります。
それらは職場での役割を示す大切な経験です。
質問③ 後輩に教えられる仕事は何か
人に説明できるということは、その業務を理解し、実践できていたということでもあります。
教育担当でなくても、「教えられる仕事」は十分な経験になります。
この3つの質問に答えるだけでも、職務経歴書に書ける内容が見つかるケースは少なくありません。
まとめ:あなたの経験を必要としている企業が必ずある

「実績がない」と感じている人ほど、職務経歴書で損をしているケースは珍しくありません。
その理由は、本当に実績がないからではなく、自分の経験を過小評価してしまっているからです。
企業が見ているのは、派手な成果だけではありません。
どのような仕事を任され、どのような姿勢で取り組み、次の職場でも活躍できそうかという点を総合的に判断しています。
まずは、何を達成したかだけではなく、「何を任されてきたか」「どのような役割を担ってきたか」を振り返ってみましょう。
その中には、職務経歴書で十分に評価される経験がきっとあるはずです。
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